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夏目漱石は曾孫まで養わないといけないのか?【追記あり10/8】
財団法人夏目漱石と言う財団があるそうですありました。(リンク先注意!音が出ます)
ここの理事長は夏目一人氏と言って明治の文豪・夏目漱石の曾孫にあたる。ルパンとルパン小僧のようなものか?

さて、財団が掲げる設立の概要および事業は以下のとおりだ。
設立目的等:
・当法人は、夏目漱石の偉業を称えるとともに文芸の興隆を図り、豊かな社会の実現に寄与する事を目的とするとともに、その目的に資するため、次の事業を行う。

事業概要:
 1 夏目漱石に関する人格権、肖像権、商標権、意匠権その他無体財産権の管理
 2 夏目漱石賞の選考及び授与に関する事業
 3 文化、文明及び文芸に関するフォーラムの開催事業
 4 夏目漱石記念館(仮称)の設立、維持、運営、管理に関する事業
 5 夏目漱石の愛用品をはじめ、夏目漱石ゆかりの品の管理に関する事業
 6 その他この法人の目的を達成するために必要な事業
財団概要より
なんか松本零士の曾孫がやりそうなことですが、著作権および隣接権で金をとって、箱物作ってそれを見世物にして金を取って、賞を作ったり団体を作ってそれにより権威付けしよう・・・という感じに見えてしまうのは私が貧乏だから?

さて夏目といえば漱石ですが、現代に生きる夏目といえば房之介氏でしょう。で、当然この財団についても連絡が行ったようでその事についてブログに書いてらっしゃいます。
2009.7.12   夏目房之介

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みなさま

 いつもお世話になっております。

 このたびは、漱石長男純一の息子・夏目房之介として、夏目漱石に関連することでお知らせがございます。

 本年6月17日付で私のもとに「夏目漱石財団」設立の知らせ及び協力要請の手紙と、一般財団登記の事項説明書コピーが送られてきました(同様のものが漱石長女筆子の娘・半藤末利子宛にも送付)。

・・・・・・中略・・・・・・

 ご存じのように漱石の著作権は戦後すぐに消滅しております。その後も、著作物の利用、演劇・映画化など翻案、あるいは漱石写真の利用、漱石イメージのCM利用など、様々な場合の問い合わせが父・純一や私のもとに参りました。が、私の代になってからは、消滅した著作権に関する案件はもちろんのこと、他の利用もすべて一切の報酬を要求せず、介入もしないことを方針にしてきました。

「漱石という存在はすでに我が国の共有文化財産であり、その利用に遺族や特定の者が権利を主張し、介入すべきではない」というのが私の理念だからです。また、純一所有であった漱石遺品などは純一死後、母と同意の上そのすべてを神奈川近代文学館に寄贈しております。この考え方にいたった経緯に関しましては、拙著『孫が読む漱石』(新潮文庫)該当部分引用[註1]をご参照ください。

上の理念にしたがい、私はこの「夏目漱石財団」に対して反対の立場を取ります。私以外の遺族に関しましても、ほとんどが財団設立とは無関係であり、私同様反対の立場であることも申し添えたいと思います。

また、この財団が事情を知らない人々への許諾や権利主張によって既成事実化し混乱をもたらすことを恐れます。この件につきまして、できるだけ早く公表周知すべきだと判断し、今回のお知らせとなりました。みなさまには本件につき、良識的な判断をとっていただくようお願い申し上げます。

・・・以下略・・・  
「夏目漱石財団」なるものについて:夏目房之介の「で?」:ITmedia オルタナティブ・ブログヨリ
長い引用になりました。詳しくは夏目房之介氏のブログをお読みください。ブログのコメントランには夏目一人氏もご光臨され、ほかのコメントでぼこぼこにされていました。慇懃無礼な若者風(といっても既に40手前のおっさんでらっしゃいますが)コメントで捨て台詞が
『 これ以上、活動の邪魔になることは、お避け頂き当ブログの全文文章を削除いだだきます様、心からお願い申し上げます。このような形で、回答することは誠に心苦しいことです。   夏目一人拝』
要するに自分の金づるについてチャチャ入れんなと言う事らしいです。まことに博報堂出身者らしい発言です。銀行家がモノ作りを目指す失敗例と並んで、今後良い他山の石とならん事を望みます。

著作権の問題ともいえる今回の話ですが、今後どういう風に広がっていくのか見守りたい。訴訟とかに行く可能性も秘めているので馬鹿馬鹿しくもあり悲しくもありですね。

【追記】
どうやら『財団法人夏目漱石』は解散するようです。1)一般財団「夏目漱石」の解散夏目房之介の「で?」ヨリ
事後承諾という路線で突っ走るのかと思ったのですが、財団の理事の方は非常に常識的な判断をされたようです。現在財団法人夏目漱石のウェブサイトは準備中となっておりますが、程なく403errorを吐くようになる事でしょう。【追記の追記】既に跡地でも無いことを確認しました(2010/3/27)

さて、一件落着・・・・・・といいたい所ですが、一般財団の設立が非常に簡単で、誰でも設立できてしまう事を利用したこのような話は、これだけニュースになってしまえばまた何時か誰かが起こす事でしょう。誰でも考え付く事ですが遺族が居ないような人を探して、その人に関する商標を取得して管理という名目で一般財団を設立してしまえば良い話です。

文化とその継承について考えさせられる事件です。もう何も無ければいいのですが。(10/8)



http://s01.megalodon.jp/2009-0714-1221-29/www.soseki-natsume.org/soseki.html

http://www.city.shinjuku.tokyo.jp/division/261000bunka/soseki/sakuhinsyokai.htm

http://s01.megalodon.jp/2009-0713-2034-10/www.soseki-natsume.org/mokuyoukai/mokuyouindex.html

http://www.city.shinjuku.tokyo.jp/division/261000bunka/soseki/bunsitati.htm

7/15現在
http://s02.megalodon.jp/2009-0715-2235-03/www.soseki-natsume.org/
準備中に
by zukunashi | 2009-07-13 16:06 | 映画・演劇・音楽


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