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舞台裏はひどい有様だった?・・・小学館少年サンデー編集部
『金色のガッシュ』は連載最初から最後まで読んでいたマンガだったので、読者というなの当事者になる・・・かもしれないと思いつつ。

いま小学館の少年サンデーを取り巻く状況が、非常にきな臭くなっています。一つはこの間ニュースにもなった雷句誠氏の裁判カラー原画紛失で賠償請求 小学館に人気漫画家 [ 06月06日 18時58分 ]
共同通信
というニュース。
元々雷句誠氏のブログに
†雷句/自分自身、漫画は描き続けますが、週刊少年サンデーで仕事をする事はありません。(株)小学館のお仕事を受ける事はありません。もう少し先(1週間~1ヶ月後?)の日記で書こうと思っていましたが、この内容の質問があまりに多く来ていたのでとりあえず簡潔に答えておきます。詳しい事は、また後日(1週間~1ヶ月後)に書こうと思います。
またまた、皆さんの質問など。2008/05/21 10:31
という事が書いてあったのでした。何かあったかなと思ってもまさか訴訟ではないだろうと思っていたので、ニュースを見てびっくりしました。ただニュースでは原稿紛失が原因という感じになっていますが、該当ブログおよび弁護士の小野智彦氏のブログblabberに掲載されている陳述書をよむと、引き金は原稿紛失ですが相等軋轢があったようです。陳述書の冒頭「1 この提訴に至るまで」の最初の行が多分全てを物語っているのでしょう。
「あまりにも編集者、出版社と言う物が漫画家を馬鹿にし始めた。」
(株)小学館を提訴。2008/06/06 20:40
もしこの言のとおりなら、またこの陳述書どおりと裁判所が判断をして、原告が勝訴したとするならば・・・。

マンガが好きと言うことを公言しているン十歳として周りを見回してみると・・・多くの同年代が朝夕の電車の中でマンガを読んでいます。月曜日はジャンプ、スピリッツ。火曜日は時々イブニング。水曜日はマガジン、サンデー。木曜日はモーニング、金曜日はいろいろ。
ところで水曜日はサンデー派です。少年サンデーも近頃は新人中堅が多数出てきていて、結構面白い。所詮マンガなので好みにもよりますが今ある少年4誌の中で一番易しく読める漫画雑誌だと思います。絵に凝っている人とか、話しに一癖あって読み難いとか特に感じられません。よく言えば万人受け。悪く言えば味気ない。それでも近頃はチョッとヘンな趣向の漫画(宮下あきら風の『金剛番長』とか主人公がいかりしんじみたいにぼそぼそつぶやく『魔王』とか二匹目のドジョウを狙っているのか『Lost+Brain』など)も出始めていますが、人気沸騰でも無さそうで、地味に3番手という感じです。それが少年サンデーの魅力といえば魅力なんでしょう。トップを争うジャンプとマガジンに対して一歩引いているサンデー。枯れた魅力かと思っていたらとんでもない編集部だったかもしれません。

でも雷句誠氏だけじゃありません。実はそれ以外にもチョッとあります。

『ワイルドライフ』という獣医の漫画がありました。それを書いていた藤崎聖人氏が第51回小学館漫画賞少年部門を受賞した際にこんな事を仰っていたそうです。
藤崎聖人です。この度、第51回小学館漫画賞少年部門を受賞させていただきました。このような栄誉ある賞を受賞したという現実がまだ信じられない状態です。

そもそも、ワイルドライフという漫画を描く以前、サンデーで描かせていただく前の時期、私は漫画家をやめていました。誘われても漫画を描いて生きていく気がまったくなかったのです。

そこへ現在の担当編集者の冠茂さんが現れまして、とにかくしつこく一緒にやろうと誘ってくるのです。毎日のように飲み食いに誘われ説得にかかってきました。なんでこの人は自分みたいな、たいした作品も発表していない奴にここまでこだわるんだろうと、常に頭の中に?マークが飛びかっていましたが、フグを15人前食おうが焼肉を20人前食おうが全部自分持ちで払ってくれるので、この人ならいつでも腹いっぱい食わせてくれるんだぁー!!と思い、この冠茂という編集者についていくことに決めました(笑)。

しかし、いざ一緒に仕事を始めると、冠さんは私の作ったキャラクターたちが最も輝けるようにと、いつもすばらしい、それこそ誰も思いつかないようなアイディアを考えてくれて、親子で読める医療漫画という難しい題材であるにもかかわらず、二人の持ち味が生き、かつ、他とは一味もふた味も違う斬新なストーリーに仕上がるように導いてくれるのです。

出会った当初、冠さんは私の才能や、可能性についてとても真摯に語ってくれましたが、今となっては正直、私の方が、冠さんこそ小学館が漫画界に誇れる才能ある編集者ではないかと、心から感じています。とにかく、この賞をとらせていただいたことで、ひとまず私を信じた彼に少しは恩返しができたかなぁとほっとしています。

最後に1ファンなだけの私に祝辞をくださった高橋よしひろ先生、冠さんと共に担当してくれた高島さん、いつも凄い機動力で取材をしてきてくださるライターの木村さん、獣徳会の原先生、その他、取材に協力してくださった方々、受賞を喜んでくれた編集部のみなさん、アシスタントの皆さんに厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました!
これはまあ編集やアシスタントのおかげ・・・と持ち上げる言葉という風にも取れるのですが、受賞後から幾つかのブログで『ファンや読者が一言も出てこない』『編集のヨイショばかり』という事でチョッと話題になっていました。ところが藤崎聖人公式サイトという彼の公式ページのダイアリー3月15日にこんな事が書いてあります。
ドラマ試写会行ってきました 2008/3月15日
正直、すごい作品です。
すごく素晴らしい感動大作です!
5年間ワイルドライフを描いてきて
ぶっちゃけ心の底から"よかった”と思ったことなど
ひとっつもないくらい、忘れたいくらい
いい思い出のない作品だったんだけど

こんなたくさんの才能が結集して
TVドラマだなんて思えないくらい素晴らしい大作に
仕上げていただけたことに感激して
見終わった後、
不覚にも涙がでてしまいました。
初めて、がんばって今まで描いてきてよかったなあー・・
と思いました。
後々みんなが見られるようにもなるので
その時は是非、チェックよろしくお願いします。
藤崎聖人公式サイトdiaryより3月15日
強調は私がいれました。

2年でこんなに代わるのかなぁと思うわけです。もしかしたらdiaryに書いている事が本音なのではないかとすら思います。受賞の言葉は一応ヨイショしとくだけしておいて、本当はこうだったんだよ、と。

藤崎聖人氏は編集者の問題かどうかわかりませんが、いい思い出が無かった。そして雷句誠氏は悪い思い出+自分の制作物を亡くされるということで提訴に踏み切った。担当した編集者について、陳述書でも多くのページを割いてありました。一般の社会人の転職の原因の一番は人間関係だと言いますから、同じような事はどこの職場でもありうると思います。
しかし契約関係の間で彼の様な状態に置かれたとすれば、次からそこで仕事をしないのはある意味当たり前でしょうし、損害に対しては賠償を求めるのも当然です。また、泣き寝入りをしないことで後に続く人に対してちゃんとした道筋を開拓しようとしているのも良い事だと思います。
彼の様にこじれてしまった場合、自分の仕事の範囲を狭めてしまう事になるので訴訟まで行く事は辛い選択でしょうが、読者が味方についてくれるのなら、どこで書いても何とかなるでしょう。

私は雷句誠氏を応援します。頑張ってください。
by zukunashi | 2008-06-07 21:54 | マンガ(新しい)


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