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ウシくん!・・・カエルくん!!
第1回お題
『2006年、今年は戌年です。
犬と猫、これほど大昔から馴染みのある動物なのにいくら待っても猫年はやってきません。
干支を決める時、神様が伝えた日にちを一日遅くネズミが猫に教えたため、猫は干支順番競争に間に合わなかったらしいですね。
で、それからというもの猫はネズミを追いかけるようになった・・・とか。これが一般的な説。
んが!違うのですよ、本当は。
猫が干支に入っていない本当の理由は・・・・・!!』 


干支
元旦日の出前。
今年は1020年に一度の干支交代の祭り。
これより日の出とともに各生き物陣営より代表が、神様の宮殿までやってまいります。到着した順番に十二支の順番が決まります。

神様の宮殿に向かう一本道。
あまり広くない道の真ん中に年を取って太った三毛猫が、風格のある香箱を作って目を閉じている。神殿に行く途中で一休み中なのだろうか。
そこに道幅いっぱいはある堂々としたトラがやってきた。
「あら、三毛猫さん」
声の感じからどうやらオスのトラらしい。そしてなんだかおっとりしている。三毛猫は薄く目を開けて目の前のトラを見上げると、おっとりと甲高い声で返事をした。
「トラさんでしたか。地響きがするので馬や牛が来たのかと思ってましたよ」
「あなたも宮殿まで?」
「そうそう、あなたも?」
「元旦にこんなところに居るのは、そんな人ばっかりですよ。」
「そりゃそうね。」
「ところで、」
といいながら、トラは器用に前足を折り曲げ三毛猫のそばに大きな香箱を作った。
「このごろそちらはどう、景気は。」
「そうね、」
三毛猫はそういいながら大きなあくびをした。トラがその口の中を見るとすでに一本も歯がなくなっていた。
「乗せてくれたら楽だわね。」
「旅は道連れ。話しながらいきましょう。」
三毛猫は体をあんまり大きく持ち上げず、香箱のままトラの肩からよじ登り肩甲骨の間辺りにちょこんと座った。そしてまた大きなあくびをした。
「あなたの背中って、」
三毛猫が声をかけてきた。
「何か蝿が多いわね。」
「そぉ?」
トラは尻尾をゆったり振るって、蝿を追った。背中の上の三毛猫は顔を後ろに向けると、何かがピュッと飛んで蝿を落とした。そのとき背中に何かきらっと光る物が見えたような気がした。
「そういうあなたの手足って、」
ゆっくり後ろ足から立ち上がったトラは、のんびりゆっくりまだ日の出前の暗い一本道を歩いていく。
「肉球のあたりがやけに冷たいわね。」
「冷え性だからね。そういうあんたも歩き方がトラの癖にしなやかじゃないわね。」
「年をとると神経痛でね。しなやかなんかには歩けませんよ。」
「そうよね、私もついさっきまでずーっと寝てたのに、起こされてね。」
「どこで?」
背中の上の三毛猫はちょっと考えて
「土の中よ。」
トラはピタリと止まった。
「あれ、トラさんどうしたの?」
トラの顔がくるっと振り返ると背中の上の三毛猫さんにその大きな口でがぶりと噛みついた。
「やめて、ギャー死んじゃう。」
それでもトラは噛んだまま三毛猫をぶんぶん振り回した。
「ギャー、死ぬーカエル殺しー!」
と言った瞬間すっぽりと抜けて道にたたきつけられたのは・・・大きなトノサマガエルだった。
「やっぱり、カエル君!」
「ヒドイな~。噛んじゃうなんて・・・。でも今噛まれてわかったぞ~、そういう君は・・・」
といいながらピョンピョン跳び跳ねてトラの背中に光るジッパーを器用に動かしていき、トラの着ぐるみを脱がしていくと、中から出てきたのは白黒ブチのホルスタインだった。
「やっぱり牛君だ。どうも前歯に牙が無いからおかしいと思ったんだ。」
と言いながら牛君の背中から降りてきて、宮殿に向かって全速力で飛び跳ねていった。
「ヘヘん。でもこれで来年から干支のトップはカエル年だぁ。」
「でもカエル君。」
「なんだい、二番目ぐらいにはしてやってもいいぞ。」
「でもね、今年からは哺乳類限定だよ。」
カエル君はぴたりと止まって体全体で振り返った。
「うそー。」
「ホンと。」
「じゃあしょうがない、もう一つ持ってきたこの着ぐるみで我慢しよう。」
と、トノサマガエルが口の中から取り出してきたのは・・・ねずみの着ぐるみだった。それに手足を器用に通すと、すっかりねずみ・・・の外見になった。飛び跳ねるしか出来ないけれど。

そしてもう一回牛の背中に乗って宮殿をくぐってから後は、皆さんもご存知のとおりです。

で、何で牛がトラの着ぐるみを着ていたかというと・・・夜道は物騒だからとお母さんの知恵だったみたいですね。



できそこないだけど、なんか載せたかったので載せちゃいました。

<(_ _)>パペットマペットバージョンです。
by zukunashi | 2006-02-24 12:58 | トラバボケ関係


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