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父の転院
現在入院中の父の転院に付き添うため、実家に戻ってまいりました。

とはいっても現在実家は誰も住む人が居らず、荒れるに任せたあばら家・・・

では無く一応マンションなんで綺麗なまんまですが、人の気配の無い家はぞっとするものです。

転院の為に病院に行くと父は洗濯の途中だそうです。何も洗濯して無くても良いのに・・・^^;
一通り退院の手続きをして、昼をどうするか聞いたところ回転寿司を食いたいという。何も回転寿司でなくても良いのにと思いつつ、実家の側の店にタクシーを乗りつけ父を降ろし私は荷物を店内に持ち込んで入り口まで戻ってきたところ、たかが10センチの段差を乗り越えられずに父が尻餅をついて仰向けにひっくり返っているところに出くわしました。一緒に頭もぶったようです。

一瞬の出来事で、体も動かず、体中の産毛が逆立ち、怖気が下から駆け抜けていきました。

その後食事もとり新しい特別養護老人ホームのベットで寝ています。くれぐれもとお願いして今そこから戻ってきて、実家で一息ついているところです。

昔からやんちゃな末っ子で、実家に居つかず色々動き回っては困らせていました。どちらかといえば父とは折り合いが悪く、30を越えたあたりからは実家にも近寄らない総領息子でした。いま枯れ木のような父を見ても、愛情が湧き出でてくるようなことは実際ありません。ただ、突発的な事故によりやはり赤の他人とは違う何かが私にも生息していることを、強く感じました。

今年で三十路も卒業。これからは折り返して戻っていく人生なんだと、父を見てそう思いました。
そして帰るときに声をかけると、ベットの中で目を開いて「今日は有難う」と右手を出して握手をした父が、いったい何を思っていたのか考えながらきっと今日も家に帰り、ビールを喰らうのでしょう。
by zukunashi | 2004-05-10 15:36


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