人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ミケランゼロの1%(その弐)
昨日振りです、お元気ですか。ズクナシです。
さて何回連載になるか分かりませんが、裁判員になった経験についてお話したいと思います。

前回は大雑把に裁判員選任手続きについて書きました。
ところで、こういう経験ってブログとかフェイスブックとかTwitterにあげていいのか?という疑問、持ちませんでしたか?秘守義務についても前回で書きましたが、そういうモノがあってあまり書いちゃダメなんじゃないか?という疑問は当然あると思います。実際やってみるまでそういうモノがあって、これってネタにはならないなぁと思っていました。が!実は裁判官の方から逆に書いて良いですというふうに言われました。書いちゃダメなのは専任されて実際実務に就いている期間中と、その後は法廷外で皆で審議しているときに、個人名がわかるようにして誰それがこう言ったとか、こんなふうに思っているというような話はしないように言われました。
まあ少し考えてみればわかるように、裁判員やっているときにリアルタイムに書けば、利害関係者が接触してくるかもしれないし(要するに被告の知り合いとかが有利になるようにと)裁判員のプライバシーを明かせば、罪が重くなったのはあいつのせいと逆恨みしたり、今後の裁判員になるかもしれない人が嫌がる事に繋がりかねないなど考えられますね。
じゃあ書いてほしいという意図は?これは簡単ですね。みんな知らないですもんね。私もそうでした。行ってみてホー、へー、フーンという事の連続でした。例えば選任のくじ引き前に事件については大雑把ですけど全員に(大半が外れの人も含め)知らされます。これはその事件に関係する人を排除するという意味もあると思いますが、最初は何で?と思いました。

さて、初登庁日。張り切って参りましたよ、霞が関。まあ仕事では一生関わらないと思っていた街ですが、意外なところでたった2週間ですが通勤することになりました。霞ヶ関駅に降りて外に出るとそこには東京高等裁判所、地方裁判所が入っている(簡易裁判所もあります)合同庁舎です。初日からすぐに法廷です。証人尋問があります。しかも午前午後ずーっとです。5時に終わるのですが、それまでひたすら証人尋問です。しかも最初の証人は、今日だけじゃなく明日も含め2日間!
証人尋問はまずは検察官、そして弁護人、反対尋問がある場合は再度検察官、そして弁護人、なければ裁判官、裁判員からというふうに行います。
今回は検察官は初日一日全部かけて証人尋問してます!!私達(裁判官、裁判員、そして被告、弁護人)はそれを聞くだけです。
ところで、もし貴方が裁判員になったときに必要な豆知識。裁判員トリビアの泉!
ていうか、証人尋問、被告人質問は一番最初から何も説明無しに始まります。
ていうか、私達のときには裁判官からは「特にメモとか必要ないですよ」「あとから資料は来ます」的な長閑な感じだったんですが、いや全然そんな事ないです。できれば初っ端からガツガツメモって下さい。それこそ一挙手一投足、どんなふうだったかまでメモっていいです。むしろそうしろと言いたい!
というのもさきほど証人尋問の順番の事書きましたよね。最後は裁判官、裁判員が聞きます。メモがいい加減だと聞けないんですよ。あと、証人尋問、被告人質問などが終わると、裁判官、裁判員で審議をします。証拠から事実を確認して何が起きたかを推論したり、犯罪事実が有れば量刑はどうするかなど皆で話し合うんですが、そのときにめちゃくちゃ困ります・・・っていうか困りました。最初の証人尋問で凄くいい加減に書いていたので、私困りまこしたわ。
ということで是非最初っからがっつりメモ取って下さい。

という事で証人尋問、被告人質問は裁判によって証人の数が違いますので、掛ける時間、日数もそれぞれ違ってきます。私達が担当した事件ではほぼ一週間を費やしています。残りの日数で審議をし、量刑を決め判決に至ったわけです。証人尋問、被告人質問は実際の法廷での話しなので、詳しく書くことも出来ますが、あまり楽しいものじゃない。それに今回は裁判員について書こうという趣旨なので、事件については割愛します。という事で今回はここまで。




今回の裁判員で受け持った事件はそんなに有名な事件じゃありません。なので傍聴席は・・・意外と人がいました。でも人が出たり入ったり?実際傍聴席の抽選があるような事件でなければ、殆どの場合出入りは自由、傍聴は自由だそうです。あと裁判ウォッチャーの阿曽山大噴火氏を2回見かけました。ただし傍聴席ではなく合同庁舎の1階のロビーでですが。
by zukunashi | 2021-06-19 11:26


<< ミケランゼロの1%(その参) ミケランゼロの1%(その壱) >>