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『夜行万葉禄・辰』 ジャングルベル・シアター 2014年秋・ギャラリー公演
終わった芝居についてアレコレを書く、近頃恒例の「終わっちゃったら好き放題」劇評のコーナーです。パフパフ。

先日パーカッションのワークショップで先生から「しばらく遊んだほうがいいよ。」と言われました。さすがブラジル人は違うなぁと生徒の癖に妙な感心をしてしまいました。ですからチョット前から仕事を辞めてから家で次を考えながら遊んでいます。

家の事はやるようにしているんですが、なかなか捗りません。わたしの段取りが悪いせいも有るんですが、なにか一つ・・・例えば洗濯とか、掃除とか・・・やるとこれが結構億劫で、次をやる前に一度気合を入れ直さなければいけないので、タッタと家事を終わらせられません。慣れですかね、それともコツですかね。どっちもまだない私はチョット四苦八苦・・・

大幅に話が逸れました。

さて、好きな劇団ベスト10に必ずノミネートされている・・・って10個も劇団知ってたっけ?・・・ベスト3に必ず入っているジャングルベル・シアターの劇場でやる定期公演じゃなくギャラリーを借りて行うこじんまりとした方の公演を観に行ってまいりました。えー、いつものとおり公演は11月29日に終わっております(笑)これを見て今から行こうったってそうはいかない・・・スミマセンm(__)m

まあ大体書く気になるのが見たから2,3日後なんでこんな感じになってまいります。

で、今までもジャングルベル・シアターはギャラリー公演をしおりましたが、それは「おとぎ夜話」シリーズになっていて民俗学をテーマにした三題噺形式の芝居で、3つ見ると話の筋がわかるという構成になっていました。

今回は「夜行万葉録」というタイトルで、百鬼夜行を題材にとっていました。だから妖怪なんかが出てくる話なんですが、そんなにオドロオドロしいものではなく、むしろドライ。ですが、チョット人間?いや社会のダークな面を取り上げた話になっていました。

それでは例の通りざっと役者さんについて書いていきたいと思います。

メインは3人
 久々の福津健創さん。今までのギャラリー公演では外人役ばかりで変な訛りで喋っていたので、普通に喋っているのを見て若干違和感がありましたが、これは私の問題。ですが、私が見た金曜日の会ではセリフを噛みまくっていたように感じました。他の日はそんなことはなかったと思いますが、何かテンションが変な方に向いてしまっていたんでしょうかね?それを除けばハマり過ぎの役柄でした。もし、ほんとうに細かい事を気にしていいなら、グラスはもうチョット丁寧に扱ったほうがよろしいかと思います。
 浅野泰徳さん。言わずと知れたジャングルベル・シアターの座長+作演出。自分が作った話とはいえこの役は難しかったんじゃないかと思いました。一番最後に明かされた悲劇をそれまで隠さなければいけない。悲劇と書きましたが多かれ少なかれこういう事は普通の日常でも起きています。別れた恋人。喧嘩した親子、兄弟。元の絆が強ければ強いほど悲劇の度合いは深まるでしょう。敢えて大げさな事件を採用したのだと思いますがギャラリー公演では荷が重くなりそうな話でした。またそれを演じきった浅野さんも素晴らしい。
 松宮かんなさん。役として人形になるということじゃなくて、今回は声優っぽい感じでしたが、その人形、怖いですね(笑)いや声がうまく合っている上に松宮さんの表情や動きが後ろで見えているので、ある意味人形にそれが投影されてしまう感じで、うまくマッチしていました。今回の芝居で多分ココが一番難しかったんだと思います。役としては浅野さんの役は難しいと思いましたが、松宮さんの役は・・・というかやり方は足手まとい(人形)がある分面倒ですが、それをうまく逆手に取っていたように思います。ギャラリーが狭かったので出来ませんでしたが、握手するなら松宮さん・・・ていうか人形と握手したかったです。

『第一話 付喪神』
 大塚大作さん。えー安定の大塚さんです。マジ笑顔がいいですね。芝居の上手い下手とかではなく全身を遍く満たす雰囲気がいい感じです。極々少数の人にしかわからないと思いますが、遊気舎の『ぎこちない笑い』のあの役者さんを思い出しました。清々しい。
 都築知沙さん。子供子供していました。オママゴトで泥団子(ピカピカに光らせたやつ)を食べろと強要していた女の子を思い出しました。小学校低学年ぐらいだったと思いますが「◯◯君大好き。だから食べて。」という感じで迫るその女の子をフラッシュバックしました。でも迫られたのは私じゃないですが。無邪気に怖い感じが良かったです。
 岡教寛さん。敵役最高です。多分第一話のベストキャラです。濃いキャラクターばかりの第一話で一番どうしようもない濃さで芝居してました(笑)

『第二話 呪いの人形』
 升田智美さん。怖いっす。ステレオタイプな取りつかれ役なんですが、特に裏から人形が出て来た時の怖さと言ったら、秋口に怪談はヤバイですね。寒気なのか風邪の悪寒なのかわかりませんよ。
 竹内俊樹さん。あのビビりっぷりは素ではないか?と思うぐらいビビりっぷりが良かったですよ。ていうか升田さん怖すぎです(笑)今だから(笑)とか付けれますが、第二話の間はエクソシストで首が後ろを向くシーンを見るぐらい怖かったですから。そしてその彼氏役は・・・なんかお祓いしてもらった方がいいんじゃないですか、ぐらい熱演でした。
 篠崎大輝さん。カッコイイ霊能者さんは一瞬しか出番がありませんでした。でもね、まあ、あれですよ、呪われちゃったわけですからね。仕方が無いです。

『第三話 幻』
 おこさん。幅広い年齢をよく演じていました。チョット高年齢の演じ分けが弱い気がします。人形を買ってもらう時が一番キリッとしてました。
 本多照長さん。おこさんと同じく幅広く年齢を演じていましたが最初の父親役と後の婚約者役では父親役の方が良かったです。
ただ、最後の話はこの後のエンディングに直接繋がっていく絡みもあって印象は弱い。この話が終わった後に全体の話の落ちがあったので、そういう意味では非常にあっさりとしたエピソードになってしまっています。

舞台装置、衣装、小道具他はギャラリー公演で舞台装置はいつもと同じひな壇に黒い布を垂らしたもの、メインの3人以外上下黒の揃いの服、小道具はなし。

照明もほぼ決まったライトがずっと付いているぐらい。音響は邪魔にならない程度の音。とてもシンプルです。

ザーッと書いてきましたが、今回の話には、すべての謎が最後に解けるというものではありませんでした。しかし驚愕の事実が姿を表しました。

教訓なんかどうでもいいんです。全部妖怪のせいって事にしておけばいいのです。観終わった時に清々しくART SPOT LADOを後にしました。ただ、ビルの狭間の狭い所とか、なんか小さな鳥居とか、多分観終わったあとには、そんな所を探したくなります。そしてまた小さな幸せから育んでいけるようになった主人公に、乾杯をしたい気にもなりました。

そんなお芝居でした。
by zukunashi | 2014-12-04 17:07 | 映画・演劇・音楽


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