『タナカヒロシのすべて』見聞録
映画や芝居のレビューや感想、そして批評を書く場合、どうしても一つ考えてしまうのが『どこまでしゃべっていいんだろう?』以前いた家電量販店で見に行ったとばかり思って映画の最後のシーンを話してしまい、販売応援に来ていた女の子に『サイテー』呼ばわりされた事があります。勘違いが大事故を呼んだ稀有な例でしょう。
特にまだ封切り後2から3週間しか経っておらず、これからもしかしたら人気が立ち上がるかもしれないような映画について、変な事を書いてしまったら......と、見かけドオリ小心者なので(または見かけと違い小心者なので)オドオドしてしまいます。

とはいえ、どうだったのか?   がんばってお伝えしようと思います。

以前の私の記事絶対脚光を浴びないと思っていたのに・・・にある『タナカヒロシのすべて』を見ていただければ映画のキャスト、あらすじ、その他諸々をおおよそ理解できると思います。非常に綺麗に出来ているトップページから分りやすい人間関係相関図、ある程度のストーリーと予告編映像。結構分りやすいいい広告ページだと思います。

ですがすみません<(_ _)>

あえてそれらのページで見たことはまず忘れたほうがいい。
ていうかそこに書かれていたことを覚えていたまま出かけてしまうと、話の先が簡単に読めてしまうかもしれません。

何でこんな事を書くのかと言えば、それはたぶん脚本と演出のおかげでしょう。ワンシーンワンシーンで少々ワザとらしく大げさな演技。ちょっとした伏線をはり、それにすぐ引っかかる登場人物。彼の周りには様々な些細な出来事が起こります。それによる行動の結果がすぐ画面に現れてきます。ちょうど雑巾を縫っている時の針の動きのように、針を入れて五ミリ向こうで針が出てくる。そして同じように五ミリ先から針をさしてその五ミリ先から針を抜く。チクチクチクチク。規則正しく降りかかってくる出来事をキッチリ一つづつ対処している『タナカヒロシ』がお茶目です。
そうなると当然一つ一つがさほど重大な事に感じられません。万事その調子で時計の秒針のように物事が通りすぎてゆきます。そのため複雑な伏線はほとんどありません。(感じ方によるので全然無いとは言い切れませんが…)非常にシンプルお話です。

そのせいでしょうか。私はいまだに公式サイトのストーリーの所にもあった『・・・しかしある出来事をきっかけに、今までの不運を振り払うべく、生まれて初めて自らの意思である行動に出る。果たして彼の運命は・・・。』にある『ある出来事』『ある行動』と言うのが結局分りませんでした。

ただタナカヒロシは皆が思うほどコメディではないし、逆にシリアスな話でもない。チョット悲しいし、途中で何回かくすっと笑いが映画館でも起きると思う。人情的なところもあるし、ドライな現代感覚もチョット見え隠れする。

また結構豪華な脇役。加賀まりこは話に一本しっかりとした親子関係を通しかつら工場の人たちは主人公の立場を分りやすく描き出していた。みのすけ、手塚とおる、伊武雅刀、清水審大らは主人公に細かく絡んでいき、しっかりしたエピソードを作っている。ユンソナ、市川美和子、小島聖、矢沢心などの女優さん方は『タナカヒロシ』に対する愛だの恋だのをコメディータッチで演じています。

で、結論としてこの映画は?というと・・・・・・



さほどお勧めではないです。そこそこ面白い。
話としては完全にカラ回っているように感じました。熱も笑いも少なかったです。見に来ている人は多かったですが。
で、結論としてこの映画は?というと・・・・・・私は<鳥肌実>を見に行っていましたが、映画としてはそんなに楽しめませんでした。<鳥肌実>としてもさほど凄いとは感じませんでした。
彼のキャラクターは映画に対してはさほどのインパクトを与えていません。彼は誠実に演じていたのだと思いますが、最後の最後のシーンでも、主人公の運命は感じられませんでした。
『タナカヒロシ』の両親、好きになる人、騙す人、イロイロ世話を焼く人たちはエピソードとしてのみ存在して話にインパクトを与えているとは感じられなかったです。結局彼に一番影響を与えたのは、おみくじと鉄骨だったのだ。

[PR]
by zukunashi | 2005-05-29 23:47 | Comments(1)
Commented at 2005-05-31 22:45
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


<< あの日はちょっと悔しかったなぁ... 今週買った漫画 '05... >>