事実を写すことのない眼ならいらないんじゃないかな?
今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。■今(2013年4月)、食材でなにが汚染されているか?(中部大学教授武田邦彦)原発事故から2年経って、人の心は変わって...
武田邦彦教授についてはテレビにも出ていますし、本を書いたりしていますから有名人です。
以前私もブログで2回ほど取り上げました。
上から目線・・・でも見当ハズレじゃない?
問題:下記の文章を読んでこの作者が何を言いたかったのか100字以内で述べよ。
いづれもあまりいい評価ではない記事として書きました。とくに2つ目の問題:下記の文章を読んでこの作者が何を言いたかったのか100字以内で述べよ。については情報リテラシーに問題が有る事も書きましたが、1つ目の方でも結局牛乳を混ぜて放射線量を下げて出荷している件について、続報は出ていないです。そしてそんな話が無いにもかかわらず彼の中では事実になっているようで、その事実にそって再度シリーズ・食材汚染(1)・・・今、牛乳をどう考えるのか?という文章も書かれています。ここでは事実の提示もなく食品メーカーや酪農家を誹謗していますが、今までの彼の発言を読んでいれば驚くべき事ではありません。

さて過去を振り返ってみましたが、私の印象としては、あまりこの人の発言を真に受けたくはない。

さて現在ですが、上に取り上げたのはガジェット通信というニュースサイトに起稿された武田邦彦氏の発言です。まあこれを読んで激しく脱力しましたヨォ _| ̄|○ こんな感じ。

2ページに渡っていますが、1ページ目は良いとして、2ページ目すぐにこんな文章があります。
体内の放射性物質はそれほど正確には測定できません。その意味で、国のお金をもらっている東大が誠意のない測定をしていると私は判断しています。
体内の放射性物質の測定についてはホールボディーカウンターの事を指しているのだと思いますが、体内から出てくるガンマ線量を測って体内の放射線を推計する計測器の事です。
ちょいと豆知識として放射線はアルファ、ベータ、ガンマと3種類あり人体を透過してくるのはガンマ線だけ。
問題はその次の文章
国のお金をもらっている東大が誠意のない測定をしている
このくだりなんですが、もしかするとこれは東大教授の早野龍五先生の事を指しているんではないかと思います。リンクを見ていただくとウィキペディアの早野龍五の項目が表示されます。もしtwitterをしていたら、twitterで調べていただくと簡単に出て参ります。

もし早野龍五先生の事を上記のように言っているのだとしたら大変な誤解なんですが、その次の文章は誤解の行きをはるかに超えて陰謀にまで到達しています。
今回の場合、どのような裏取引が行われたかはわかりませんが、このような時、先輩後輩で電話が来て「反対派が福島の被曝を騒いでいるので、ちょっと測定してくれないか。金は出すから」ということになり、それを東大の先生が請け負うという関係です。税金ということは忘れています。
今(2013年4月)、食材でなにが汚染されているか?(中部大学教授 武田邦彦)より引用
いやースゴイ。どのような裏取引をしたかわからないがと前置きした上でこんな事を書ける厚顔無恥さ加減がステキ。なんかテレビとか映画で有りそうなステレオタイプな象牙の塔の陰謀という感じですね。奥様方がゴミ出しをした後で2,3人固まって世間話に興じる時でもここまで事実無根の陰謀話は出てこないでしょうと思うような話を書けるところが武田邦彦氏の真骨頂なんでしょう。

さて私は先程から事実無根とか厚顔無恥とか書いていますが、実際早野龍五先生と知り合いでもありません。会ったことすらありません。では何故ここまで書けるのかというとtwitterのおかげと言えます。早野先生は東日本大震災後の福島第一原発事故の初期の段階からtwitterで放射線による被曝について発信をしていて、多分菊池誠先生あたりからの情報を見て渡しも早期にフォローさせていただき、その情報リテラシーと科学的な誠実さを目の当たりにして来ました。早野先生のツイッターはその誠実さも驚きですが、量も多くそれを整理もせずにここに出してもナンの事か分からなくなる恐れが高いので、代わりにビジネスメディア誠というところに出た記事「早野黙れ」と言われたけど……科学者は原発事故にどう向き合うべきかを上げておきます。この記事では4ページに渡っていますが、「早野黙れ」と言われたけど……科学者は原発事故にどう向き合うべきか (2/4)に出てきますが
私たちは科学者なので、データの出典を示して、解析して、公開して、議論するという普段のトレーニング通りのことを淡々と行いました。
これによって、情報として出てきたものがわかりやすくグラフや画像としてTwitter上に出てくるようになります。

そして「早野黙れ」と言われたけど……科学者は原発事故にどう向き合うべきか (4/4)にこのブログを書くきっかけになった武田邦彦氏の文章に関わってくるホールボディーカウンターの話が出てきます。
「どうもあちこちに入っているホールボディカウンターからまともなデータが出ていないのではないか」という疑いを持たれたお医者さんが、私のところにデータを持って駆け込んでくるということが起きています。私も南相馬市立病院のホールボディカウンターを見せていただいて、そのデータをいただいて今、解析をしています。
ここではまだ2011年12月の記事なので解析をしているだけのように書いてありますが、実際は解析して間違っている解析結果を修正したり、正しく計測するための微調整や測定するための最低限の手順(服に付いている放射性物質でデータがおかしくなるので、必ず検査着に着替えるとか、バックグラウンドという宇宙線やもともと存在する放射線の影響を受けないように鉛などで装置を遮蔽するとか)いろいろ御尽力されています。本当にさらっとこれだけしか書かれていませんが、大体ここに書かれていることで全てといってもいいでしょう。
しかしビジネスメディア誠では書かれていない事が一つあります。ホールボディーカウンターでの検査は誰が金を出しているか?これは基本的には地方自治体・・・特に市町村が予算から出しています。では早野龍五先生がデータ解析をしたり、微調整をするためにファントムを買ったり、そのファントムを使って微調整をしたりするときに福島に行き滞在している時の費用はといえば、本人の言を信用するなら東大への寄付とポケットマネーです。東大への寄付については早野龍五教授(理学系研究科)へのご寄附については、寄附の目的を”早野先生支援のため”と記載して下さいというページを見るとその寄付方法が乗っておりますし早野龍五教授からの活動報告というページもあります。陰謀を暴きたい方にとっては、こういうものも何かの隠れ蓑に見えるのでしょうが、それを隠してどんな意味があるのか私にはわかりません。

長々と書いて参りましたが、結論として武田邦彦氏は早野龍五氏に嫉妬している。そう考えるのが妥当なんではないでしょうか?武田氏の知名度があれば、こういう重要な役割をお願いされてもおかしくはないでしょう。ですが早野氏は必要と思われることを自分で見出し、データの出典を示して、解析して、公開して、議論するという当たり前の事をして武田氏の出番を奪ってしまった…。

まあ上の文は冗談半分ですが武田氏がとにかく自分の買ってな思い込みでいろいろ物議を醸す人であるのは間違いありません。税金を使っているとするとそれは地方自治体が負担する検査費用としてなら正しいですが、東大云々については濡れ衣も甚だしい。だいたい東大は測定すらしてない。早野氏の言う『私たちは科学者なので、データの出典を示して、解析して、公開して、議論するという普段のトレーニング通りのことを淡々と行いました。』の科学者の中には武田邦彦氏は入っていないことが分かったのが今回の唯一の成果でしょう。
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by zukunashi | 2013-04-26 11:33 | 事件・事故 | Comments(0)


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