昔こういうのに行ってきたっけなぁ
意外と変なところに出没している、ズクナシです。
その昔アムウェイかアムウェイ風の販売会社の説明会というのに行ってきて、例の「油が浮いたところにこれを垂らすと・・・ほら!油の膜の中心にポッカリと穴が…」というのを見て、駄目だこの会社と思って帰ってきました。
石鹸にだって出来るよそんな事。

そういえばこの頃よくブログ更新しているなぁと思っている方!
実は嫁の母にせっつかれまして・・・まさか私のブログをそんなに読んでいたとはΣ(゚Д゚) という感じだったんですが、読者様からのご要望に応えねば・・・という元来の体質がむくむくと頭をもたげて参りました。いつまで続くか保証いたしかねますが(笑)


さて、今日のお題は㈱高嶋開発工学総合研究所です。リンク先のブログでは福島県の放射能汚染土壌を液肥で除染するという話が出ています。
すべての議論は、事実の確認から始まります。机上の空論でなく、現場で、ご自身で起きていることをご確認いただき、考えていただければと思います。よろしくお願い致します。6月4日川俣町現地視察会ヨリ引用
コレって冒頭に出した話と同じで、見ることのインパクトで何か知らないけどスゴイ事なんだと思わせるやり方です。事実を検証するすべを持たない一般の人に、事実だけを提示すれば、理屈は勝手に後付け出来ます。とはいえ後付けされた理屈がその事実をちゃんと説明できるのか?そこまで考えていただければいいのですが、その理屈が難しい用語や聞いた事もない法則が入っていれば、直ぐには分からないですね。

また、こういうデモンストレーションをする場合必ずちょっと偉そうな方が参加されます。今回の現地視察会では、経済アナリストの藤原直哉氏という方がいらっしゃます。しかしながら化学や物理などの範疇の問題に、経済アナリストの方を呼ぶのもよく分からないところです。
ちょっとネットで調べてみると、藤原直哉氏は㈱高嶋開発工学総合研究所の高嶋康豪氏と交流があるようです。藤原直哉氏のブログがあるのでリンクしておきます。藤原直哉のインターネット放送局ポッドキャストなんで音声で聞いていただくのですが、対談というカテゴリーを見てみると高嶋康豪氏とは2回ほど対談なさってらっしゃいます。興味がおありでしたら聞いてみてください。

本題に戻りましょう。
正直な話し、この除染方法でガイガーカウンターなどで放射線を測れば明らかにカウントは減っているのでしょう(前回もそうだったようですから)では、彼らの言うとおり放射性元素が減ったのでしょうか?実はそうとは言い切れません。それにはちょっとばかり放射線のお勉強をした方がいいかもしれません。

ヒトクチに放射線放射線と言っていますが、ガイガーカウンターなど、放射線の計測に使う機械は大体ベータ線かガンマ線を計測しています。ベータ線は電子、ガンマ線は光子(=光)です。放射性ヨウ素、放射性セシウムは放射線を出すときにベータ線とガンマ線を放出するため、その二つが計測出来ればいいわけです。
で、ベータ線やガンマ線が届かなくするためにはどうすればいいかというと、一つは間に遮蔽物を置くこと。ベータ線はプラスチックなどでも簡単に遮蔽できます。ガンマ線は鉛やコンクリートでしかも厚い遮蔽物が必要です。それと、水によってもベータ線は遮蔽されるようです。それについては下記のpdfファイルを御確認下さい。福島県立安積黎明高等学校敷地内の放射線量について雨の場合は放射線量が減少しており、土中に含まれる水分がベータ線の遮蔽物になっているのではないか、という検証結果になっています。
また、放射性のヨウ素は半減期8日であるため、大気中に放出されてからおよそ2ヶ月経った今、ほとんど放射性ヨウ素はないと考えるべきでしょう。土の中にある放射性元素の大半はセシウムであると推測されます。セシウムの土壌での沈降速度はあまり早くなく、ウェイブページの記述にはばらつきがありますが、年1cm以下という表記から月に1cm程度という表記もあります。ここでチェルノブイリ事故のケースを引用してみます。そこでは放射性セシウムの土壌中への下向きの移動はあまり早くないことが示唆されています。チェルノブイリ事故の環境影響とその修復の「1.2.1.3 農業環境」などを参考

さてこれらを考えてみるとこういう事が言えます。
1.現在土壌に存在している原発由来の放射性元素はセシウム(セシウム137)だと思われます。
2.セシウム(セシウム137)はベータ線とガンマ線を放出します。
3.ガンマ線は遮蔽しにくいですがベータ線は水などでも遮蔽されます。
4.セシウム(セシウム137)は主に地表にあると思われます。(沈降速度が遅い)

以上から見かけでもいいので放射線の計測値を低くするにはどうすればいいか。
1.水を撒く(水はベータ線を遮蔽する効果があります。)
2.土を耕耘する(地表にセシウムは多く存在するため攪拌すれば相対的に地下に沈降しやすくなる。また、表面から一時的に土埃などで移動する可能性がある)
3.さらに水を撒く(水はベータ線を遮蔽する効果があります)

2で地表から土中に放射性元素が移動すると、上に覆いかぶさる土が天然の遮蔽物になります。ベータ線はその影響を強く受けるでしょうし、ガンマ線も多少はその影響を受けるでしょう。

と、机上でいろいろ空論を弄んでも、
すべての議論は、事実の確認から始まります。机上の空論でなく、現場で、ご自身で起きていることをご確認いただき、考えていただければと思います。よろしくお願い致します。
と言われてしまうだけでしょう。しかし、ここで一つ考えて欲しいのは、実験の結果放射線が低くなったとしても、㈱高嶋開発工学総合研究所の高嶋康豪博士が開発した、複合微生物による複合発酵と耐放射性細菌の微生物触媒と生物触媒による科学技術が原因とは言い切れ無いです。

本当は彼らの実験によって放射性元素が消えてくれる事の方が、望ましいのですが、放射性元素が生物によって放射線を出さない別の元素に変わることはありません。放射性元素が放射能を失うには、放射線を出す事が必要です。(放射性元素は放射線を出す事で、違う元素に変わっていき、最後は放射線を出さない元素になって終わります)

未知の原理が働いている、という事があるかもしれませんが、この実験でそれが証明できるとは思えません。この実験は単に見に来た人を欺いている可能性があります。それともう一つ、原理が先行してプロセスの解析を歪めているという懸念もあります。広告としての効果はあるかもしれませんが、証明にはならないでしょう。事故を自分たちの商機と考えているのなら、止めて頂きたい。純粋に科学なら、一般の人を集めてする必要はないでしょう。
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by zukunashi | 2011-06-03 10:26 | ニセ科学…科学を詐称するモノ


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