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生ギター Paul Bankes 路上にて・・・
最初から考えていたネタをぶっ飛ばして今日は音楽の話です。

東京に着たばっかりの頃、丁度今から10年前、まだ金もあり新宿あたりでよく酒を飲んでました。当然今の奥様と一緒に。

10年前も今もあんまり人の多いところに行けないタイプで、デパートとかにいると10分で頭痛がして動けなくなっちゃう。ただし酒飲んでればそれも不思議とだいじょうぶ。何時間でも人ごみの中にいられる。酒を飲むと不思議と新宿界隈にいる大道芸人、ストリートミュージシャンの音をボーっと聞いていられるんです。

ただし勘違いセンで欲しいのは、発電機を回してミニLiveハウスをする連中は好かん。いくら良い演奏だと思っても、そんな音は聞きたくない。天井の無い路上で四方を壁に囲まれた箱の中と同じ音を聞いても、ノれないんだ。

路上の演奏ではギターやサックス、バイオリン、フルートなんかちょっと気になる。バンドでやる場合でもJ-POPのエレキより、ジャズの方がしっくり来る。それよりむしろアコースティックギターの方がいい音が出る。

今もやっているだろうか?自由が丘駅のマリークレール通りの改札前で夜11時ぐらいからジャパニーズプルースマンがギター一本でLiveをやっていた。時たまそれに出くわすと、家が近かったから飽きもせず何時間も聞いていた。見たことも無いニューヨークをその音から感じていた。

しかし今、新宿も吉祥寺も自由が丘も遠く、行き帰りに通るのは湾岸沿いの駅ばかり。(会社がお台場だからね)そういえばどうしてこの頃のストリートミュージシャンは周りの女の子の手拍子が決まったように付くのか分らない。30年前のフォークソングみたいな曲が女子高生にもてるのも分らない。

品川駅には時たまジャズマンが演奏している。私はジャズはわからないが、そんなにテクニック的に下手ではないのだろうが、何か今一ノれない。この間は沖縄民謡系の女の子がいて、サンシン弾きながら歌っていると、サラリーマンが寄って来て結構人気があった。でも音楽はそんなに心を打たなかった。声もそんなにステキではなかった。うーん物足りない。

帰宅途中の品川駅新幹線口でタイトルに書いたPaul Bankes(ポール バンクス)が演奏していた。アコギのインストルメンタルミュージックばかり。最初に聞いたのは【アストリアス】。ピックアップがついていたが、その音を聞くと何故かとても心地良かった。
2曲目は【アルハンブラ宮殿の思い出】。この曲はCDなどで聞くと、情緒を抑えた悲しい曲だと思っていた。それがストリートだからなのか?それとも演奏しているポール・バンクスという彼の特徴なのか?情感たっぷりのとてもエロティックな曲だった。
彼の奏でるアルハンブラ宮殿は、アラベスク模様の壁、鍾乳洞のような天井、柔らかい曲線の建物の中に、ベールを一枚纏ったイスラム美女の官能的な舞踊見るような気さえした。

一曲聞き終え次の曲は誰でも知っている【禁じられた遊び】だった。この曲もいい演奏なのだが、先ほどのような情感に浸れなくなっていたのでこの場を離れようと思ったのだが、さらに一曲私の知らない曲を弾き始めた。静かに流れる水のような曲で少し興奮気味の頭が、逆に冴え冴えとしてくるような曲だった。
その曲も終わると今日は店じまいらしく拍手に答えながら荷造りし始めた。私はCDを買おうか少し迷っていた。CDは2,500円だったので変えない訳が無かったが、家で聞いてあの時の情感に浸れるとはとても思えなかった。東京都の大道芸の許可証を持っているのだから、またどこか出会えるだろうと思い、何も買わずに帰ることにした。

今ネットでダウンロードした【アルハンブラ宮殿の思い出】を聞いているが、こんな貧相な音楽ではなかった。あの時の曲はもとふくよかな肉付きのいいイスラム系のエキゾチックな浅黒い肌をした美女だったなぁ。
by zukunashi | 2004-10-22 22:47


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