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DOGのBLUES ジャングルベルシアター 2016/12/4 18:00より
ジャングルベルシアター冬公演 「DOGのBLUES」観劇

どんな情景なのかというと・・・港町に住む野良犬や家犬たちの話だ。まだおおらかだった昭和50年代のころの話と、チラシで主宰の浅野泰徳さんが書いている。

その頃って…今のように空き地があってもすぐコインパーキングにするようなこともなく、ドラえもんの世界のように土管がそのまま積んであったり、野良犬がいたり、お母さんは買い物かごをもって、割烹着を着て八百屋さんや魚屋さん、肉屋さんを回って買い物したり、家の中でお父さんがタバコをバンバン吸って、リビングが紫煙で臭くなってたり、トラックから真っ黒な排気ガス、交差点では時々息苦しくて、夏には光化学スモッグが何回も何回も起きる、そんな時代だった。
主人公はタイトルにもあるBLUES。ボクサー犬だけど、演じる俳優さんは二宮康さん。長身イケメン鍛えている腹筋の好男子。ちなみにアクションシーンでちょっと背中やお腹が・・・。鍛えてますね、さすがに。
話の中での彼はぶっきら棒、お人良し(お犬良し?)、強い。彼が話の中心の筈が、お人良し(お犬良し?)のせいか、他人(他犬)のエゴであっち行ったりこっち行ったり。優柔不断とも取れる。彼は何にもしない。周りが勝手に彼に期待したり、頼ったり、世話を焼く。
ヒロイン役はメンフィスという愛玩犬(犬種忘れたぁ)演じる俳優さんは稲垣希さん。(主人公から見たら)チンチクリンで可愛らしい。そして声も通るし表情もクルクル変わる。
でもちょっと影がある、劣等感がある。そして飼い犬なのに自由で元気。なんかアンビバレンツなところを持ったヒロイン。いろいろしがらみがあるけど、まんざらここも悪くないっていう感じ。キレたら怖いね、きっと。
二人のボスのうち老獪な裕次郎は地元の顔役だ。演じる俳優さんは篠崎大輝さん。正義感が強いとか真面目っぽい役が多かった気がするんですが、今回は一癖ある老犬の役。
でも温厚だけでは人(犬)を締めることはできない。硬軟織り交ぜてこの街を支配している。強くはないけど、人(犬)を見るタイプですね。そして意外と締めが甘い。そのせいでこの界隈はギスギスしてないのだろう。ただ、昔は強かった…のだろう。
そしてこの話の陰の主役ともいえる新興勢力のボスジャッキー。演じるのは福津健創さん。ジャングルベルシアターでは変わった役(外人とか)が多い。今回も犬だよと思ったけどみんな出演者は犬だった。そう考えると一番普通の役かも。ただそれを普通にやったりはしない…。
彼は雑種でも野良の誇りでのし上がってきた苦労人(犬)。人(犬)たらし。以前BLUESとやりあって負けたからか、仲間を作って戻ってきた。昭和な肉体系お父つぁんだね。
その右腕、キレる頭脳、意外と腕力もいけるダルメシアン。ロック役は金澤洋之さん。所属は劇団熱血天使の座長さんでいらっしゃいます。熱血天使さんのプロフィールでは和服に刀な感じなのです。
しかし、彼はジャッキーの右腕としてそして二頭の手下を従えて策を巡らし縄張りを広げる。でもジャッキーとロックの思惑はいつも一緒…?
そしてジャッキーの左腕モモコは谷口明日菜さん。初かと思いましたがどうもカプセル兵団の『ゾンビ×幽霊×宇宙人 オール恐怖大行進!!』に出てらっしゃいましたね。でもあの芝居、私の中では評価低いんですよ…ごめんなさい。
だが、彼女はボスの左腕…っていうか鼻とか食欲系のところ担当。でも野良犬だからご飯のありかを見つけられるこういう特技は超重要でしょうね。あと嘘がつけない犬の役なのでそこを付け込まれたりしますけど、基本はいい人(犬)です。
そして超天然犬、ビートルズは西村太一さん。いろいろな顔がある怖い役者さんです。ただ器用なだけじゃなく、観客に強く刺さる芝居もします。
そんな彼の役は超天然。ビートルズとつけた飼い主も天然だろうからその影響か?裕次郎や仲間に呼ばれるときはふくすけ。まあ、名は体を表す…ぼけた名前だとぼけた性格に育つということか?でも恋女房のためなら…。
そして変わり身の早いペロは大中小さん。どこかでお会いしているような気が若干します。
だれでもお腹を見せちゃいます。降参とか撫でてとか…どちらにしても平和主義。そのせいで欲しいものは指をくわえて見ているタイプです。また、芸もないです。どうする?!

あと松宮かんなさんのC-05…別に未来からやってきたサイボーグじゃないです。…その子供ノゾミ役の都築知沙さん、メンフィスのお母さんミニーの長尾歩さん、アイドル、キャンディー役の天野耶依さん…焦ってたんかな、歌が…その旦那犬アンソニー役千葉太陽さん…たぶんあれだけ上手なアムロの「ぶったね…」とその次の完璧なタイミングで繰り出された「2回も…」は素晴らしい…そして、ロックの手下ロッソ氏平充信さんと力王の青木隼さん。
べ、べつに脇役だからはしょったとか、そんなに話にかんでないからとか、セリフが少ないからとか、そんな理由で十羽一絡げにした訳じゃないんですよ。ただ単純に…長くなってきて疲れただけです。すみません。

ちょっと気になったのはさいしょにBLUESが発したセリフ。なんかいわくありげだ。とはいえ話としてはとてもシンプルだ。狭い町の中で生き残るために戦ったり仲間になったりする普通の冒険譚だ。詳しくは書かないが、いろいろ謎が解けてくると最後は大団円になる。ジャングルベルシアターらしい楽しく見れる芝居だ。

で、日曜日の夜の回を見てああよかったなぁと思ったのは終了間近、ロックとジャッキーのやりあうシーン。それまでは水面下で徐々に網を張って、そして一気呵成に決めるロック。そしてその標的には自分のボスジャッキーも入っていた。純血種と雑種、プライドと誇り、トップとナンバー2。思惑は交差し生きるか死ぬかの死闘になる。どっちが勝っても面白い話、結末になっていたと思う。あの芝居の中で唯一緊迫した場面。アクションでは出せない緊張感が心地よかった。そしてラストシーンの弛緩。

どのシーンを切り取ってもその前後との関わり、話の筋立てに無理がなく足りないところを補うように謎が明かされる。大きなタペストリーを編み上げるように完結した今回の芝居は、次の芝居リヒテンゲールからの招待状」とどう関わるのかワクワクしている。
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by zukunashi | 2016-12-07 19:00 | 映画・演劇・音楽