映画評と書くのならもっと真面目にやってほしいなぁ
NATROMの日記は私が定期的に巡回するウェブページの一つだけれど、時たま首を突っ込みたくなるネタがある。とはいえマンガやアニメでの喫煙シーンの是非 - NATROMの日記というような話の場合は逆に遠巻きにしているほうが無難だ。
というのもこの問題でコメント欄を見ると、『表現の自由』という言葉が既に出てきている。『表現の自由』は非常に中途半端で幅の広い概念だし、主観に左右されやすい。
過激な性表現や暴力、麻薬やギャンブルなどの表現をどこまで取り締まるかということについては、出来る限り自由でいいのではないかと思うが、それは親としては許せない所などもあるのだろう。私は親ではないので、良い物を見せて悪いものを見せないという方向で子供の判断を狭めるのはあまり賛成しない。もし親であればどうかという事は無意味なので仮定はしないが、変えないのではないかと思う。

とはいえ今回話したいのはそういうことではなく、NATROM氏の日記でリンクされている特定非営利活動法人日本禁煙学会のウェブページについてだ。

禁煙学会という名の通り、禁煙について、またはタバコの害について様々な項目がある。
INFOMATION
受動喫煙防止条約
受動喫煙防止のための政策勧告(WHO,2007)
タバコの煙のない社会を求める全世界の声キャンペーン
イベント情報
米国公衆衛生長官報告「受動喫煙の健康影響」
タバコ製品の有害性に関する世界医師会声明
日本禁煙学会倫理指針
日本禁煙学会研究助成金事業
禁煙宣言学会等一覧
平沢敬義タバコフリー基金
無煙映画大賞
政府インターネットテレビ:タバコの健康影響
FCTCガイドライン~タバコ規制枠組み条約締約国第3回会議資料(2008/11南ア)
ざっと見ても情報量はかなりある。一度日本パイプクラブ連盟と討論させてみたいとすら思う。かなり白熱するだろうなぁ。
まあそれはいいとして・・・
特定非営利活動法人日本禁煙学会の左にあるリンクをずーっと下に辿っていくと、DATA ROOMという所がある。
DATA ROOM
データルーム(資料やリンク集)
過去の学術総会資料
公職選挙立候補者タバコ問題アンケート
タバコはダメよ!映画評2009
→会員専用ページ
(入り方は、2006/8/25の学会通信第3号をご覧下さい)
一つだけリンクしましたが、興味を惹かれてタバコはダメよ!映画評2009をクリックして読んでみた。
・映画名、監督、製作国、禁煙度、PPの有無、お勧め度の順です。
(PPとはProduct Placement の略で、映画やテレビなどの中で実際の企業名や商品を登場させ視聴者に印象づける方法のことをいう。)
・禁煙度:○は喫煙シーンなし、△は喫煙シーン数回、×は多いほど喫煙シーンも多い。
・!はタバコ関連のセリフあり。
・お勧め度:☆が多いほどお勧めです。
という事なんですが当然禁煙学会の映画評なのでタバコ、タバコ会社、煙などを神経質にチェックしています。これを書いている人がその映画を見たときに感想も書かれているのですが、結構あっさり、サラッと流してしまっているのですが、タバコについては非常に細かく見ている。
『タクシーの禁煙マークがたびたび映っていた(引き出しの中のラブレター)』
『タバコは古いフィルムの中で数回でていました。(こつなぎ)』
『戦中の写真では多くの政治家たちが喫煙しているようすが映っていました。(包囲 デモクラシーとネオリベラリズムの罠)』
『ゲスト出演をしている三上寛、お笑いのトリオザパンチの内藤陳がインタビューのたびに喫煙していました。(新宿伝説 渚よう子新宿ゲバゲバリサイタル)』
『タバコの煙は出ませんが、教育で使うアルファベット表のなかにタバコの絵があり残念です。(ふと、想う・・・)』
『コンビニではレジの後ろの陳列棚にいつものタバコがしっかり映っていました。とても残念です。監督にはこのようなチェックもきちんとしてほしいものです。(キラーヴァージンロード)』
『制作協力になんとかタバコ店がはいっていました。こういう協力はやめてほしいものです。(南の島のフリムン)』
『マフィアのアジトでほんの一瞬タバコの煙が映っただけで後は無煙でした。タバコの本体は映っていません。(96時間)』
『この喫煙は全く不要であり、やっぱり裏でJTが動いているのでしょうか(20世紀少年最終章)』
上から20ほど見て引用してみました。当然まだ70ほどあるので、まだまだ沢山ある。
『母親の思い出の品がタバコの吸い殻で、ノラが落ち込んだ時にしみじみ口にくわえる場面があり印象的に扱いすぎです。(サンシャイン クリーニング)』とか余計なお世話だろうと思う事もある。母親の思い出に浸るために傍から見れば下らない物でも価値があるという演出意図があるなら、それをダメと言う方がダメ過ぎる。
また評者はタバコが映らないとオスカーを取れないという事を度々言っているが、本当にそうなのだろうか。タバコを効果的に使っている映画は、他の事も効果的に使っているので良い映画になるのでは?何れにしても通常では検証できない陰謀めいた事を書くのは、逆効果ではないだろうか。

とまあ、反論めいた事を書いてしまいましたが、映画評というより映画に出てくるタバコデータベースとするほうが役に立つのではないでしょうか。

この評者は、2006年からこういう事をしているようで、その視点は面白いと思う。しかしタバコという小道具が時代、登場人物、文化、社会などと絡んでより話を面白くさせるのなら全く使うことに問題はない。
例えば『タバコでは大問題作です。喫煙シーンがあるばかりでなく、村で唯一英語を話せる女性を口説くのに「アメリカタバコどう?キャメルだぜ。マイルドでなんとかでかんとかで~~」とキャメルの宣伝をするのです。(セントアンナの奇跡)』と指摘しているが、1940年代という時代背景、ヨーロッパでのアメリカ兵、など検討した上での事だろうか?ただキャメルというタバコメーカーを出しているからという事で批判するのなら、それはお門違いで馬鹿げてる。

さてこれによって映画を見るかどうか考えるとすれば、私は逆に「そんなに気になる描写なのか」をチェックする為に使うかもしれませんが、評価自体は平凡で、また大作映画は逆にあまり取り上げられない所を見ると、使い道はあまりないでしょうね。
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by zukunashi | 2009-11-08 16:42 | 映画・演劇・音楽 | Comments(2)
Commented by Q@N at 2009-11-10 06:29 x
まあこの人に日活映画の魅力。
特に、東京流れ者の清順美学は分からんでしょう。

どうせ岩波ホールとか言って御大層なことでも言われて
んじゃないでしょうか。

Commented by zukunashi at 2009-11-10 21:08
この方が一人なのか多数なのか誰が書いているのかは皆目見当も付かないんですが、山形映画祭などの地方映画祭に行っていたり、有名なハリウッド映画はほとんど見ていないようなので、そういうタイプの方なのではないかという気はします。

とはいえ、タバコを貶めんが為に映画を見て批評するのは何か止めてほしいです。


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