科学は人間を不幸にする・・・?
発信箱:むなしい科学=元村有希子(科学環境部) - 毎日jp(毎日新聞)という記事が書かれたらしい。残念ながらうちは新聞を取っていないので分からないが、コラムとしてこういう記事が載ったのだろう。
いったいどういう紙面にどういう形で載ったのか分からないのですが、まあこういう記事が載ったということのみで話を続けていきます。

ところで、科学者たち(と一括りされていますが)は自らの研究成果が戦争の道具になり、その結果多くの人命が損なわれているという事について全く想像したことが無いでしょうか?多分この記者は研究中にその事に気が付き、科学者の責任でそうならない様にすべきだとでも思ったのでしょう。

言い旧された台詞なのですが、科学ではなく、それを使う人間の責任なのではないでしょうか。科学は技術と密接に結び付き、新しい知見は生活を豊かにもしますし人命を奪いもします。そんな事をご存じだと思うのですが。
では何故急にこのようなコラムをこの記者は書いたのでしょうか?
“ 人間はこの60年間、同じことを繰り返してきた。政治家が科学者を利用し、科学者は無邪気に目標を追いかけ、多くの命を奪い、地球を汚し、誰ひとり幸せにしなかった。どう考えても、これ以上むなしい営みはない。”

そういえばたまにこういう風に断定的に物事を言い切っちゃう人がいらっしゃいますが、その言葉が正しかったためしはありません。ソラからの伝言然り、活性水素水、マイナスイオン、波動などのニセ科学然り、911の真相究明をはじめとした『政府の自作自演』陰謀論然り。
たまに知り合いと話していて、「俺は(私は)話を聞けば、真実が分かるから」的な前振りを聞くとかなりゲンナリしますが、そういう事を言う人はものすごく真面目に自分のその能力を信じています。『俺は(私は)分かる!』いえ、分かっていただいてもいいんですが、それが真実だという保証も何も無いのだから、言ったモン勝ちですね。
そうやって言い切ることが出来る人を羨ましいと思いますが、その人のようになりたいとは思いません。人間は事実に近づくことは出来ると思います。もし科学的な事実を『真実』と呼ぶのだとしても、科学には断定的に“こうだ!!”と決定付けることは未だに出来てはいないです。人間も同様ではないでしょうか。

元村有希子記者にとっては『科学者は無邪気に目標を追いかけ、多くの命を奪い、地球を汚し、誰ひとり幸せにしなかった。』のでしょう。何故彼女がそういう結論に達したのかは分かりませんが。唯一つ言える事は、誰一人幸せにしなかったのだとしても、それが科学及び科学者のせいだとは私は思わないのです。彼女と同様に理由はありませんが。

いずれにしても、元村有希子記者のコラムでは小学生時代の読書感想文程度の感傷に浸ることはできるかもしれないですが、そんなに人を幸せにしなかった事でしょう。ただ一人、元村有希子記者は除きますが。



発信箱:むなしい科学=元村有希子(科学環境部)

 雨降れば雨に放射能雪積めば雪にもありといふ世をいかに

 湯川秀樹はこの歌を、米国の水爆実験(1954年3月1日)の後に詠んだ。ノーベル賞受賞後は核兵器廃絶運動に取り組み、激しさを増す核開発競争を批判した。

 太平洋上での実験は予想以上の破壊力を示し、操業中の「第五福竜丸」の乗組員23人が「死の灰」を浴びた。日本は広島、長崎に続いて三たび核兵器を経験している。

 そして今月、北朝鮮が地下核実験を実施した。「成功」を伝える発表文は「科学者、技術者らの要求に従い」と始まる。作っては試し、改良してまた試す。こうした試行錯誤なしに科学の発展はない。だが、科学者たちは結果の深刻さについて一度でも想像したことがあるだろうか。そう考えたらむなしくなった。

 戦時中、米国で原爆開発計画に参加した科学者の回想録(「原爆をつくった科学者たち」岩波書店)。巨額の金を使って刺激的な先端研究ができる喜びと、世界初の核実験を成功させた興奮がつづられている。広島と長崎への原爆投下手順表を作った科学者は「当時の最大の心配は、手順表を実行した時の深刻な影響ではなかった」と語った。

 砂漠の真ん中の実験場は放射能に汚染され、今も自由に立ち入れない。日本でも陸軍と海軍が原爆開発を計画し、湯川ら多くの科学者がかかわった。未完に終わったから「加害者」にならずに済んだ。

 人間はこの60年間、同じことを繰り返してきた。政治家が科学者を利用し、科学者は無邪気に目標を追いかけ、多くの命を奪い、地球を汚し、誰ひとり幸せにしなかった。どう考えても、これ以上むなしい営みはない。

魚拓
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by zukunashi | 2009-06-11 21:47 | 小ネタ


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