たらい回しといい診察拒否といい・・・
毎日新聞の2009年5月5日 02時30分 ( 2009年5月5日 13時41分更新 )<新型インフル>東京の病院、過剰反応 発熱患者の診察拒否 毎日jpという記事がどうも気になってしまっていろいろ見て回っていました。

確かに診察拒否はよくないし、今のこの時期患者予備軍としては心中穏やかじゃない。東京に限った話ではないだろうし、何で・・・と思って読んでいたが、ちょっと気にかかるところもあった。

診察拒否のパターンが三つ上げられている
(1)患者が発熱しているというだけで診察しない
(2)感染者が出ていない国から帰国して発熱したのに診察しない
(3)自治体の発熱相談センターに「新型インフルエンザではないから一般病院へ」と言われたのに診察しない

でだ。さてこのパターンをちょっと考えてみたい。

その前にまず前提として、インフルエンザA(H1N1)は何時どのような状態で日本に上陸するのか分からない。またインフルエンザA(H1N1)の症状は通常の季節インフルエンザと症状はほとんど変わらない。そして、医療機関はいま発熱者がインフルエンザA(H1N1)では無いことを確認してから通常の診察を受けている。

空港の検疫はインフルエンザA(H1N1)を入らないようにするのではなく、見つけ次第隔離するしかない。無菌にするのではなく、インフルエンザA(H1N1)だけを集めるのだ。
市中の病院も同じ。インフルエンザA(H1N1)保有者が病院に来てしまえば元も子もない。病院に来る前に鑑別しなければいけない。インフルエンザA(H1N1)に感染の恐れがある人は、他に感染させていないか、またどこから感染されたのかが分かるように疫学調査を受けて尚且つ診断をされてインフルエンザA(H1N1)じゃ無いことを証明した上で、普通の病院に行かなければ行けない。

上記については厚生労働省新型インフルエンザ対策関連情報より2009年4月30日 新型インフルエンザ国内発生に備えた、医療機関等における医療体制の整備について(平成21年4月29日厚生労働省指導課長事務連絡)または2009年5月1日 新型インフルエンザに係る積極的疫学調査の実施等について(平成21年5月1日厚生労働省結核感染症課長事務連絡)などに出ているpdfファイルを確認すれば書かれています。

さて、そうやって国の採っている対策などを確認したうえで診察拒否の三パターンを見てみると、(1)患者が発熱しているというだけで診察しないはインフルエンザの症状なのでまず発熱外来やそれに類する専門外来に罹ってインフルエンザA(H1N1)かどうかを鑑別しなければいけない。発生初期の段階では疫学調査も含めて対応しなければいけないので、もちろん鼻水が大量に出るとか、セキ、のどの痛み、関節痛などを訴えても同様であると考えられる。というか同じじゃないと意味が無い。個人病院なども含めて大病院だって発熱外来が無ければそうするだろう。
次いで(2)感染者が出ていない国から帰国して発熱したのに診察しないについては確かにインフルエンザA(H1N1)未発生国からの帰国ならいいような気がするがちょっと待ってほしい。既にインフルエンザA(H1N1)に罹患している人がそばにいる場合、帰国者から最初の患者が発生すると決まったわけではない。症状が軽く自覚していない場合だってインフルエンザA(H1N1)ウィルスを持っている場合はある。確かにアメリカやメキシコから帰国した人の方がリスクは高いが、だからといって帰国した人だけを見ていればよいわけではない。
そして(3)自治体の発熱相談センターに「新型インフルエンザではないから一般病院へ」と言われたのに診察しないについて疑問に思ったのは、発熱相談センターはインフルエンザA(H1N1)に罹っているか罹っていないかを電話だけで分かるのだろうか?という点。調べてみると発熱相談センターは保健所などに設置されているのですが、電話連絡のみとなっています。インフルエンザ検査は電話で行えるものじゃないので、インフルエンザの症状が出ている場合(咳や鼻水等の気道の炎症に伴う症状、突然の高熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛等を伴うこと)発熱外来などのかかってもらう必要があるのは当然として、発熱相談センターは何を根拠に「新型インフルエンザではないから一般病院へ」としたのかちゃんと分かるようにしておかないと、一般の医療機関にきた時に明確に症状が出ていれば、発熱外来に罹るように言うしかないでしょう。相談センターは症状から鑑別しているのだとすれば、それはちょっと迂闊なんじゃないか?と思います。だって風邪で調子が悪いときに一刻でも早く病院で診察されたければ、症状を偽ったり些細な嘘を言うことはありうるでしょう。私は医者じゃありませんでしたが、PCおよび周辺機器のサポセンでは、調子が悪いときはまず実際見てほしいのでわざわざ症状を重く言ったり出てもいない症状を言ったりする人がいる事を経験しています。確認の為に電話口で操作をしてもらうと、言っていた事と全然違ってたりすることもありました。また勘違いということも当然ありました。
電話で聞き取った症状から原因を確定するのは、よほどベテランでも100%はありえないです。

こう言っちゃあ何ですが一般医療機関と発熱外来と発熱相談センターはどのように連絡を取り合っているんでしょう。もし記事のとおりなら連携ミスのような気がヒシヒシとするのですが。三パターンすべて一般の医療機関は診察拒否してもおかしくないと思います。パンデミックを出来るだけ遅らせて、感染者を減らすということのために病院はいつもと違うシステムになっていますが、なんかそれがうまく連携していないんじゃないかと。その連携不足の間隙を突いて毎日新聞に付け入る隙を与えたんじゃないかと。
毎日新聞は奈良県の周産期医療を一発崩壊させたペンの力は健在のようです。今度はその矛先がインフルエンザA(H1N1)防疫体制に向いたということで、国内感染が早まる予兆でどきどきします。

2009年5月5日 16時58分 ( 2009年5月5日 19時46分更新 ) 発熱の診察拒否を全国調査へ 厚労省、悪質なら指導もなどというニュースもあるようですが、マスコミの尻馬に乗っかってせっかく築いた防疫体制を骨抜きにするようなことになったら、まあいいマスコミネタになるだけで、喜ぶのは一人だけですね。

もちろん意味もなく拒否するのは許されないですが、そこのところはちゃんと調査をして(裏を取って)いただきたいと思います。出来れば毎日新聞さんにも。



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by zukunashi | 2009-05-06 02:44 | 事件・事故


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