なかのエンジョイ♪えんた~て~めんとVol4 中野サイド物語
今回の観劇は『なかのエンジョイ♪えんた~て~めんとVol4 中野サイド物語』要するに中野を舞台にしたお話・・・とおもいきや全然架空の場所になってましたけど(笑)

今回のお芝居の舞台である架空の中野はなんか島が真ん中にあって、そこに野人が住んでて、それ以外の土地を東野氏と西野氏で分け合っている状態。で、当然東野氏と西野氏の仲は悪い。

そして、話は題名からするとウェストサイド物語・・・と思いきや絵のとおりロミオとジュリエットです。剣を取って戦うところなんかはウェストサイド物語じゃないですね。あちらはナイフでしたから。

お芝居の粗筋は、だいたい皆様頭のなかで想像したものとそう大した差はないと思います。違うとすれば誰も死なないところでしょうか。そこら辺はむしろ少年ジャンプの影響でしょうか(笑)恋あり、愛あり、チビっと肉欲あり、東野氏と西野氏の戦い、野人との戦い、そして全編通して歌、踊り、殺陣と結構お芝居のいろいろな要素がぎゅっと詰まっています。

そしてリンク先の一番上に書いてあるとおり
なかのエンジョイ♪えんた~て~めんとは、はじめてお芝居を生で観る7才のお子様から77歳のお子様だった方まで、皆さんにエンジョイしていただける笑えて泣けて心あたたまる、歌とダンスとアクション満載のハートフルエンターテイメントです。
というとおりわかりやすく楽しめる舞台でした。

今回の舞台ではUMEとMISOに別れていくつかの役についてはダブルキャストでしたが、どちらもそんなに大きく変わっているようには見えませんでした。もちろんキャストにより役の性格がかなり違う場合もあるのですが、それが本編にはあまり影響していませんでした。私としてはそういうところはもっと違いを見せてほしかったです。せっかくのダブルキャストなんですから。

役者さんでは特に東野氏の新しい族長になるトモヤ役の寺門祐介さんは、愛、プライド、そして中野の未来について辛い立場にいる新族長の役をかなり分かりやすくしっかり演じてらっしゃいました。

歌についてはちょっと評価が分かれるかもしれません。西野氏の族長ジュンイチ役杉本崇さんとヒロインである東野族長の娘、トモヤの妹役(役名忘れましたm(_ _)m)美里悠茉さん二人の歌が多いのですが、杉本さんの歌はワザとのどをつぶしてオペラっぽく発声しているのか、それとも元々そういう歌い方をするのが普通なのかわかりませんが、台詞の時との声の差が激しく、音量もちょっと足りないように聞こえる為、あまり聞きやすくありませんでした。一方美里さんは声に張りがあり、でもやっぱりちょっと無理しているような感じもあり、若干ハスキーでしたが、歌はしっかり聞こえてきたので聴きやすかったです。

またみなさんアクションはかなりキレがあり、見ていて安心できる本当にそういう意味では安定した良いお芝居でした。

7歳から77歳までという場合、7歳にはまだちと辛いシーン・・・ちょと愛欲まみれなところとか、ベッドの上では勇者とか・・・も有ったことはありましたが、まああっという間に過ぎ去っていくので、問題ないでしょう・・・ネ?!

それ以外にも、舞台の展開や美術、大道具小道具、音楽、照明などもしっかり出来上がっている、安心できる仕上がりの舞台でした。まあ例によってこの記事を書いているときには、既に終演してしまっているのですが、次回公演も見てみたいものです。



ところで・・・

では手放しに良い芝居でお薦めしても良いかといえば・・・実はそうじゃないところが難しい。

ここでは主に脚本に話しになるります。

ぶっちゃけて言えば、物凄くこの脚本は古臭い。いやロミオとジュリエットっぽい話しならその古臭さはいいんじゃないかと思いたいんですが、そういう意味じゃない。
例えば・・・
中野がひとつになり平和になった。リーダーは結婚を奨励する。そして子供を産み、正しく育てよう。
とか
合同結婚式に、亡くなったと思われていた東野の族長が戻ってくる。そして出席するよう彼の背を押したのは野人の2人…それまでもほぼ半裸だった2人が、ピエロ装束で出てくる。そして名物料理に舌鼓を打って喜ぶ。
というようなシーンを見て思うことなんです。

前者の場合は昭和のベビーブームを思い出しますが、正しく育てよう・・・(゜-゜)ウーン 正しく育てようという言葉で納得出来るほどウブじゃない自分が恨めしいです。そして結婚して子供を作りというところだけ見ても、同性婚が出来るようになってきている社会情勢から見れば、何かチョット中途半端な気がします。本当に中世の騎士道の物語ではなく、現代におもねっている芝居であるのだから、そこら辺はいかがなものだろうか?産めよ増やせよ地に満ちよと神が言ったのはキリスト教の創世記だったと思いますが、ナカノを大切に思うのはわかりますが、余計なお世話ではないだろうか?

そして後者の場合はもうちょっと複雑です。芝居の最初では軍事的に野人・・・半裸で食物に困らず圧倒的な体力で剣を持った人にも勝利する・・・が圧倒的に強く、東野氏も西野氏も彼らには勝てません。野人は半裸であるということも含めてアメリカインディアンやアフリカの現住民族を想像させます。また顔のペイントでその感じは一層強まります。で、最後の結婚式でゲストとして招かれる彼らは服を着ていますが、どう見ても似合ってないピエロの装束で、ほかの列席者とも違う異質さをワザと出していると思います。結婚式でなぜピエロ?
服を着せる行為は力ではなく文化で野人を屈服させたように理解しました。前半はどう見てもフィジカルで勝てない野人も結局文化では劣っている、というように感じられました。
なぜピエロっぽい服装なのか?なぜ料理を食べさせて旨いと言わせたか?
それまでは一方的に恐れおののいていた東野、西野対野人が族長の腕一本犠牲にして急転直下一つになる。
元々戦いをしたいわけではない野人と、野人に恐れ慄いているのに、でも彼らを倒して一旗あげて勢力争いで優位に立ちたい東野と西野の人々。
本来はどちらが野蛮か?

この芝居の為に野人を創造した脚本家は、野人に直情径行な単純さを要求しそこに人間らしい細やかさを要求していないように感じるのは、ちょっと私もバイアスがかかってしまっているのでしょうかね。

何れにしても、脚本から感じるのはちょっと古臭い価値観、古臭い文化。
逆に時代背景は今より昔の物語なのに、愛こそすべてと信じさせてくれたレ・ミゼラブルを見てこれを見てみよう。レ・ミゼラブルでは革命を夢見たマリユスがコゼットとの愛に目覚めた所は未だに疑問符が残るが、本来古臭い物語、古臭い価値観が横行する時代の話のはずなのに、その物語に現代と相容れない古臭さは感じられない。
それは脚本だけの問題なのかといえば、演出や役者の力量などいろいろあるかもしれない。
唯一つ言える事は、作演出の武田直樹さんはそこを重要な点だとは思っていないということ。私はたぶんその点がこの芝居の一番のウィークポイントなんだろうと思ったということだ。

とはいえ、楽しいお芝居をありがとう。ではまた(^O^)/
[PR]
by zukunashi | 2013-08-20 00:29 | 映画・演劇・音楽 | Comments(0)


<< コストコの新しいメニュー 【追記有り】タバコがなくなれば... >>