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問題:下記の文章を読んでこの作者が何を言いたかったのか100字以内で述べよ。
NEWSポストセブン|ラジウムの上で50年過ごした世田谷の92才女性 今でも健康体
2011.10.20 07:00

一時は東京の各地に高濃度汚染地があるのではと疑わせる事態にまでなった世田谷の放射能騒動。しかし、福島第一原発によるものではなく、原因はこの家にあったラジウムの瓶だった。
騒動の舞台となった民家は、築60年ほどの木造平屋建て。現在は空き家になっているが、今年2月まで、92才の女性・A子さんがひとりで住んでいた。
「A子さんが引っ越してきたのは、50年ほど前の、昭和35年ごろのことです。瓶自体も同じくらい古いものなので、当時からあったとみられています」(全国紙記者)
ということは、この「放射能おばあさん」、ラジウムの上で50年も生きてきたことになるのだが、放射能の影響は受けなかったのだろうか。
A子さんは、証券会社に勤める夫とともに、この家に引っ越してきたという。現在、彼女は介護老人保健施設に入所しているが、特に病気ということはなく、夫も10年ほど前に亡くなったが、放射能を受けた人がなりやすい白血病やがんが死因ではなかった。夫妻には、2男1女がいるが、その子供たちもここで育った。次男の妻・B子さんがいう。
「お義父さんは、82才のときに老衰で亡くなりました。義母も耳は遠いし、記憶もぼやけていますが、重い病気にはかかっていません」
子供たちがこの世田谷の家を出て久しいが、ときには、庭の手入れや掃除などに来ることもあったという。現在、子供たちは3人とも50~60代だが、「みんな健康体」だという。
「主人も姉も弟も結婚して家を出るまで、その家で過ごしましたが、全員健康でいます。私には娘がいますけど、娘も健康です。放射能がこれだけ騒がれていて、私たちも普段から食べるものとか気をつけていたのに、まさか身近でこんなことが起こるなんて…」(B子さん)
青天の霹靂といった感じだが、ラジウム入りの瓶が発見された場所は、A子さんの寝室だった。
「和室で畳の部屋なのですが、義母はベッドを置いてそこで寝ていたんです。ちょうどベッドの斜め下あたりが床下収納になっていたんですね。誰も触らないし、そんなモノがはいっていたこともまったく知らなかったようです」(B子さん)
つまり、A子さんはラジウム入り瓶の木箱のすぐ上で毎日寝起きをしていたのだ。計測された放射線量から推測すると、A子さんは1年間で30ミリシーベルト近く外部被曝していた計算になるという。これは震災後、国が計画的避難区域の基準とした20ミリシーベルトを上回っている。
この家に50年間住んでいたということは、単純計算すると、これまでに浴びた総被曝量は1500ミリシーベルトにもなる。放射性物質に詳しい中部大学教授の武田邦彦氏によると、実際にこれだけの量を被曝しているならば、「白血病になってもおかしくない」という。だが、それでもA子さんは90才を超えたいまも健康体。
「外部被曝のみをしていたと考えられます。確かに高濃度ではありますが、1年30ミリシーベルトといった放射能の影響を示す数値は、あくまで目安です。健康被害を受けない人もいるということなんです」(武田氏)

※女性セブン2011年11月3日号




答えは…無い ̄^ ̄)>エッヘン

とまあ、女性セブンの記事を載せてみました。
タイトルで書いたとおり、いったいこの記事を書いた記者は何を言いたいんでしょう?

放射線の害を大したことがないと思わせたいの?とまず真っ先に考えますね。タイトルもそうだし、3人の子供も健康、しかも唯一亡くなった夫も白血病や癌じゃない、とくれば、放射線って大したことがないと思わせるには十分ですよね。
しかも専門家のコメントでも「白血病になってもおかしくない」と言っていますし…と、チョット待ったこの専門家って中部大学の武田邦彦教授ですね。このかたは工学博士で材料工学の専門家ですよね。白血病になる機序やどれぐらいの放射線でどれほどリスクが増えるかなど理解しているとは思えないです。何故そう思うかは後に書きますが、工学博士に病気のことを聞く事自体ナニ勘違いしているんだ?と思わざるを得ませんね。

ところで、武田教授については、今の所下記のリンクを参考にして眉に唾をつけて読むことにしています。
2011-03-18 武田邦彦氏の功罪
2011-04-15 武田邦彦氏の過去の発言を検証してみる
2011-07-12 武田邦彦氏の誠実さ
2011-08-22 1年1ミリを被曝すると、ガンにかかって死ぬ可能性が2倍に増える?
すべてNATROMの日記よりリンクしました。武田邦彦氏の発言に関して、検証しやすく綺麗にまとめてあるブログとしてはコレ以上のものはないでしょう。
上記リンクの中でもNATROM氏が繰り返し述べているように武田教授は人には情報を公開しろと言うが、自分の情報は発信源などを書かない。そしてなにより、自分のブログの文章を勝手に改竄する。
自分の文章だから良いだろうとでも思っているのでしょうが、あまり褒められたことじゃないですね。というか、誰も褒めませんね。将来小学校や中学校でネットでのリテラシーの問題として引用してもいいんじゃないかと思うぐらい、武田教授のブログでの発言はダメダメです。反面教師ならぬ反面教授です。

ところで、最後にですが、この女性セブンの記事を読んでホッとした方もいることでしょう。ただここで注意して欲しいのは確率的な話が抜けているということです。世田谷のラジウム瓶があったいえに100人の人が住んでいたら、何らかの違いが分ったかもしれません、今回は5人だけということなので今後もしかしたら影響が出るかもしれませんが、現時点では影響は見えません。でもそれを以て『健康被害を受けない人もいる』というわけではないということです。そこに住んでいた方はそこ以外に住んでいた方より間違いなく、放射線によるリスクは高いです。リスクが高いというのは、当たりを引きやすい、と考えることができますが、だからといって誰が当たりを引くのかは分からないです。沢山くじを引いてみて初めて分かることです。

それと、もしがんに罹ったとしても、医者はその癌がラジウム瓶のせいか、福島第一原発のせいかなんてわかりませんし、気にしないことでしょう。でも全力で治そうとしてくれるはずです。
ですから私達に今出来る事は、放射線を徒に嫌ったり軽視したりすること無く、毎年健康診断をちゃんと受ける、というような地道な作業が、最後には功を奏するのではないでしょうか。

(ラジウム瓶がのせいか、という文を追加しました 10/22)
by zukunashi | 2011-10-21 19:25 | 事件・事故


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