人気ブログランキング | 話題のタグを見る
妄想と現実と 
近頃、ブログを書くことなんてないから随分久しぶりにこの編集画面をみます、ズクナシです。
ブログから離れたのは、エキサイトの中の人の対応と、他のブログからバカな中傷のおかげです。今はFacebookとXで静かなIT余生を送っています。2000年ごろの活発なブログ活動は今は昔。なんか時代が違う感じになりますね。

さて、漫画原作のドラマの件で世間が騒いでいます。原作漫画のドラマ化ので原作者が…週刊誌なんかの格好のネタですね。
ニュースのウェブサイトでも出だしに亡くなった方に冥福を祈り、最後にいのちの電話なんかの情報を書いておけば、いくらでもこのネタを使いまわしていいみたいな無節操なニュースが多いですね。各々自分の立場で出版社やテレビ局、プロデューサー、脚本家を糾弾している。
私も偽科学や著作権関係でかなりガンガン書いていたので、昔を忘れるわけにはいかないですが、一回だけ、ブログから離れるきっかけになった、アマチュア落語家とのやり取りの中で
『前略~ そんなに追いつめて楽しいですか? もしこの事が原因で私が自殺でもしたら、あなたは責任とれるんですか? ~中略~  どうしても削除して下さらないのなら、弁護士に相談します。 ~後略』なんていう元気な死ぬ死ぬ詐欺をされたことがあります。
結局私は自分から削除しませんでしたが、エキサイトの中の人がこの人と何らかのやり取りをして私の記事を非表示にしたのでしょう。その後も特に問題がないと思われるものも含めて4つの記事が非表示にされました。当然ですがエキサイトはその理由を一切述べませんけどね。

ところで、色々原因が取りざたされていますが、プロデューサーと編集部の意思疎通がいい加減だったとか、脚本家が全く原作を知らなかったからとか、決定的とはいえないまでも、そうだろうなあと一視聴者が想像した通りのネタが掘り起こされていますね。原作側の小学館の体質や(かつて金色のガッシュで掘り起こしたことがまだ続いているとは思ってもみませんでしたが)テレビ局側の傲慢さなどが今更ながらクローズアップされています。とはいえ、クローズアップする側の他局のテレビや週刊誌の様なアナログなメディアの皆様が、まるで自分は関係ないという姿勢でいろいろ言っているのもなかなかどうして恥知らずなと思いますが、やっぱり原作者が亡くなられた直後に出したテレビ側の哀悼のコメントの、責任逃れ感の半端ない文章が、どうしても頭から離れないです。
「日本テレビは映像化の提案に際し、原作代理人である小学館を通じて原作者である芦原さんのご意見をいただきながら 脚本制作作業の話し合いを重ね、、最終的に許諾をいただけた脚本を決定原稿とし、放送しております。」
細かく分析するまでもなく、許諾してもらっているんだからうちのせいじゃないです。という事です。法律ならそれでいいでしょう。
でも法廷じゃないですよ。マスコミに取り上げられているゴシップです。
小学館もその手の話では日本テレビに負けじとやってくれます。
芦原先生のご要望を担当グループがドラマ制作サイドに、誠実、忠実に伝え、制作されました。
何を伝えかには言及しませんが、「誠実、忠実」につたえました。ここに正確という言葉が入らなかったのは、最後の良心と解釈したい。
両社ともあとは頸を竦めて嵐が去るまでだんまりでしょう。

そういえばこのところ、うちの奥様がネットフリックスを見始めたせいで、私も一緒によく見ます。そこで思うのが日本は漫画という文化はあるかもしれないけれど、テレビも映画もオリジナルを忘れてしまっているんじゃないかなと。ネットフリックスは自社でドラマ制作をして(させて?)ネットフリックスの映画、ドラマを配信している。映画やドラマの見逃し配信のサービスじゃないんですよね。最初は見逃したのを見ていたのですが、次第にオリジナルにもしょくしゅを広げています。
しかもほとんど海外ドラマです。日本のドラマ…そんなに見たくない。見たいほど面白くない。見ても面白くない。ちょっと合わない(笑)サンクチュアリは最後の理由で見ていません。
まあ、仕事人シリーズや水戸黄門みたいに、原作あっても、実在人物でも結構好きに創作する歴史のあるドラマや映画で、原作忠実なんて絵空事はあり得ないと断じていいかと思いますが、送料冬美さんのMARSの台湾映画の話やシティハンターのフランス映画などを見ると、日本以外ではちゃんとやっているんですよね。翻訳して読んでいる方がリスペクトされているというこの皮肉に、日本のドラマ、映画製作者は気が付くべきと思います。とはいえ、海外だからと言ってもドラゴンボールのハリウッド版みたいな例があるのでやっぱりリスペクトは大事ですね。映画もドラマもビジネスかも知れないが、人を喜ばせる、感動させる、楽しませるものはビジネスで作られるのは無くて、センスと情熱なんではないかと思います。

センスと情熱なんて書いていますが、まだ何か欠けているんだろうなぁと思います。それが分かっていればもう少し私の音楽やそれ以外の色々がよくなっているはずですからね。

# by zukunashi | 2024-02-11 16:28 | 映画・演劇・音楽
ミケランゼロの1%(その伍)
いよいよ最終回です。と言ってもすごい盛り上がるようなことは一切ないんですけれどね。ズクナシです。

今回最初で最後かもしれない裁判員として、初めて裁判の中の人になってきました。一番最後は評議についてです。

実は評議の場のことを細かく描写することは出来ません。また評議で誰がどんな事を言ったかも書けません。プライバシーということは当然で、評議で誰がどんな事を言ったかを書けば量刑で不利だったか有利だったかなど憶測を呼び、次の裁判員の人が萎縮してしまったり、また最悪の場合裁判員に対して裁判の利害関係者が接触をしてきたりととても困ったことになるのは目に見えているからです。

という事で評議の雰囲気、評議ってどんな風にやるのかということに絞って話をしてみたいと思います。

まず評議評議と書いてますが、一室に集まり裁判官と裁判員全員で行う審理の事を評議と言っています。これは一般的ではなく今回がそうだったからで、何らかの定義があるのかもしれませんが、おおよそというところで特に問題はないでしょう。
さて、裁判では証人や被告人に様々な質問を投げかけ、そこで話したこととが記録されます。そして警察や検察が取り調べや捜査の過程で様々なもの、画像、動画などを集めてきます。警察や検察が集めたそれらのうち裁判に提出されたものは証拠として扱われます。裁判で記録されたことも証拠として取り扱われます。実はそれらだけで評議は行います。前に書きましたが、ウェブでの情報は証拠になりません。
そして評議では全てを調べるのではなく、被告と検察が争っているところの白黒を付けます。
例えばAさんがBさんを殴って金を持っていった。という事件の場合。被告AさんはBさんを殴ったのは認めるけど金は奪ってない。金はBさんが勝手に出したんだと言いはったとすれば、殴ったか殴ってないかはもう調べる必要ないです。奪ったのか差し出したのかを評議するのです。
ただ、前後の状況などが詳しくわかっていれば(例えば防犯カメラに写っていたとか、第3者が動画撮っていたとか、偶然近くに違う人がいたとか)分かりやすいですが、それだと裁判で争うほどにはなりません。だからだいたいそういう細かいところはわからない。とするとある程度推測をすることになりますが、ここには一つ重要なルールがあります。疑わしきは被告人の利益にです。何でもかんでも推測で片付けてしまえばフィクションになってしまいます。事実に近い事を認定しなければいけない。そして本当にわからないことについては被告人の利益に。といいますけれど色々考えていくとなんかこれってやっぱりねぇというふうに先入観的なものもあるのは確かです。またもう少しここのところはどうだったのか教えてほしいとか、何でこの証人呼んでくれないのかな?というような希望要望もあります。ですがここにあるものだけで評議をしないといけません。ここで見たもの聞いたものを頼りに判断するのです。
検察は自分達が出してきた証拠に沿って論告をし被告がどういうふうに犯罪を行ったかを描き出します。対して弁護人は同じ証拠からまた別の状況を描き出します。どちらも(少なくとも私は)全然嘘とは言えません。一つの状況が検察から見たら犯罪で、被告側から見たらそうじゃない・・・極端に言えばそう思えてきます。ただ私一人だとそうなるかもしれませんが、補充裁判員も含めて11人がああでもないこうでもないといろいろな観点から状況を考えてみました。ブレインストーミングという言葉がある意味ぴったりな数日でした。体を使った作業は一切していないにも関わらず家に帰るとぐったり疲れている数日間でした。

そして判決の日を迎え量刑を決めるときが来ました。意見が一致しなかったら評決はどうなるのですか。裁判員制度Q&Aよりというところに書いてありますが、有罪無罪、有罪の場合の量刑については全員一致だと楽なんですが、まあそんなことはないでしょうね。なので多数決になりますが、その場合も特殊なルールがあります。
  1. 量刑についても被告人に有利になるようにする
  2. 多数決で過半数をとった場合でも裁判官と裁判員が最低でも一人づつ入っていなければいけない。
  3. 入っていない場合はその次に軽い量刑と票を合算しそこで両方とも入っていればそれを量刑とする。
評決で票を投じることができるのは裁判官と裁判員だけで補充裁判員は出来ません。なので9票のうち5票で決まります。簡単に言うと…
  • 懲役10年 (裁判)員1人 (裁判)官0人
  • 懲役9年  員1人 官1人
  • 懲役8年  員0人 官1人
  • 懲役7年  員1人 官0人
  • 懲役6年  員2人 官1人
  • 懲役5年  員1人 官0人
となった場合過半数はいません。で思い量刑の方から下に票を加えていくと懲役9年は裁判員2人裁判官1人でまだ足りず。懲役8年は裁判員2人裁判官2人ですがまだ足りず。懲役7年で裁判員3人裁判官2人になるので、量刑は懲役7年になるというシステムです。この場合一番票が多いのは懲役6年ですが過半数に足りないです。

これで裁判員の仕事は終わりです。裁判員になって裁判の真っ只中にいて色々な証人や被告人の話に耳を傾け、質問し記録し意見を出し合い、話し合い、最後に被告人に判決を言い渡す(正確には言い渡しは裁判長ですが)それが被告人の為になるはずと思って最後までいました。判決公判も終わりおよそ2週間慣れ親しんだ評議室に戻り最後にいくつか書類にサインしたり、記念品をもらったりします。
今回の裁判員について裁判長から促され一人ひとり感想を述べます。裁判官も述べます。最後に裁判長が話したときに彼女は不意に涙をこぼして、声をつまらせて「本当に素晴らしい皆さまと裁判が出来ました」と言われました。とても利発でキュートな女性の裁判長で、ちゃっちゃと場を仕切る元気な姿を見ていたのでとても驚きました。そしてそう言っていただけたことは本当に嬉しい誇らしいことでした。

そうして私達は裁判員という仕事を終えて帰途についたのでした。


追伸
# by zukunashi | 2021-06-24 23:35 | 事件・事故
ミケランゼロの1%(その肆)
梅雨っていう感じのどんより曇りの平日です。いかがお過ごしですか。体にカビが生えちゃいそうですね。ズクナシです。終わって随分経ったなぁとやっと実感しました。仕事と思ってやったとしても、稀有な経験でしたからね。
さて、前回はどんな風に裁判員は裁判に関わっていたかということを書きました。今回も同じようなことになるのですが、私から見た…簡単に言うと裁判員席から見た裁判の景色をお話したいと思います。

裁判官、裁判員の席は裁判長を中心に証言台をぐるっと取り囲むように少し弧を描いて並んでいます。裁判長、右陪審、左陪審と三名が真ん中に座り、その両側に裁判員が座ります。そしてコロナ禍での裁判では裁判官それぞれと裁判員それぞれも全てアクリル透明板で隔離されており、1人幅90センチぐらいの机が自分のエリアになります。机の前にはマイクロフォンが一人に一つあり、二人に一台ディスプレイがあります。マイクロフォンは拡声するわけじゃなく記録用で、質問するときは全てそこに向かって話します。そして証言台の横に実物投射機があり、そこに色々な証拠品を置いて法廷内の左右の壁にある大型のディスプレイと、裁判官と裁判員席に置かれているディスプレイがそれを映し出します。あとは動画のようなものも映せるようになっています。
私の席から前を見ると、右前に弁護人がいてその人の向こうには被告がいました。被告の後ろには刑務官でしょうか、いかつい二人の制服職員が座ってました。
一方左側は検察官です。今回は最大三人で時々二人でした。主席の検察官らしき大柄の男性と次席らしい女性、下っ端らしい若い甲高い声の男性でした。その後ろにはこの裁判所の職員の方らしき人が居て、実物投射機使うとき等に色々実務をこなしていました。
その後ろは仕切りがあって傍聴人席になっており、出入りする場所は端のところだけでになっていました。コロナのせいで一人置きに座るようになっていたので、いつもスカスカな印象でした。
証人尋問の証人はその傍聴人席から法廷に入ってきました。おやっと思いますね。証人が控える席はないんです。そして一度だけ既に刑務所で服役している証人がやってきたことがあります。その時は腰紐を着けられ手錠をして刑務官に前後を挟まれて入退場します。証言台で証言するときには手錠も腰紐も外されます。証人尋問が中休みになるときはちゃんと腰紐付けて手錠をして退廷し、休廷後の再開するときにはまたちゃんと付けて入廷し、と律儀に付けて外してを繰り返します。(当たり前ですが)そして服役している人は傍聴席からではなく退廷して休憩しているようでした。
証言台から裁判官の席までには書記官通訳者がいます。書記官はさっき書いた実物投射機を使うときに、ディスプレイの切替器を操作しているのですが、裁判映画で出てくるような、一心不乱にタイプを打つみたいなことは一切していませんでした。あと今回は被告が日本語より外国語の人だったので、通訳者がいます。

こんな描写でどういう法廷を想像されたかなぁと思いますが、実際の法廷での私達の動きもお話しましょう。

開廷前、私達は一旦法廷のそばの部屋に通されます。その時裁判長だけが一人法廷に入っています。少しすると裁判所の事務員が呼びに来て、全員入廷します。実はこの間は被告の人が入廷して腰紐や手錠を外す間なのだそうです。理由は「手錠をしているという状況を見ると先入観を持ってしまうので」ということです。手錠を外したりするのは裁判長の指示で行うので、裁判長だけがまず入廷するのです。そして私達裁判官、裁判員が入廷すると全員揃った時点でまず私達は一礼をします。そして席に着きます。
証人尋問、被告人質問中は前にも書きましたが、ほぼずっと座ってます。椅子の高さを変えようとしてガタンと音がしたときに、図書館のようによく響いたのを覚えています。
そして裁判員が質問をする時、ここ重要なんですが、名前を呼びません。安全面のことだと思いますが、一番裁判員、二番裁判員…という風に番号で呼ばれます。裁判員からの質問のときはこんな感じです。

裁判長…それでは裁判員から質問いたします。最初は一番裁判員からお願いします。
一番裁判員…証人の方にお聞きします。先ほど・・・

という風に名前を呼ばれませんし、自分からも名乗ってはいけません
さて退廷するときは入廷のときの逆をします。まず裁判官裁判員全員で起立して一礼をします。そして裁判長を残して退廷します。そして皆出ていくと裁判長が被告の手錠などをつける指示をして被告は退廷するという手順(だった)ようです。

裁判員席は裁判官と同じ法廷の一番うしろの高い席に居ます。そこで刑事事件の場合、被告の人生を左右する判断をしなければいけない。とても恐ろしい場所と言えます。そして…こういう言い方をするとなんですが、とても興味深く、好奇心溢れる場所でもあります。そのことについては次回にお話したいと思います。そして次回で一応この連載も終了になります。

最終回を乞うご期待‼


追伸
# by zukunashi | 2021-06-23 20:31 | 映画・演劇・音楽
ミケランゼロの1%(その参)
ズクナシです。昨日は久しぶりにライブを見に行ってきました。本当に久しぶりにサンバらしいサンバの生を見聞きして、私はサンバも好きだなぁと再認識しました。パンデイロもスルドもタンタンもタンボリンも中途半端だなぁと、後ろめたいような辛いような妬ましいような。まあやりゃあいいんだけどね。

さあて裁判員になって毎朝起きて会社に行くような感じで東京地方裁判所に参りますこと数日。証人尋問、被告人質問が全て終わりになると、証拠調べは終了し、裁判官と裁判員、補充裁判員の計11名による評議が始まります。

ところで、裁判官裁判員補充裁判員の間の大きな違いは何でしょう?
クイズみたいにしてしまいましたが、実際にはちゃんと法律に書かれているので、それを読めば一目瞭然(読んでも法律用語の意味がわからない気がするけど)なんですが、今回私の経験の話がメインなので、それに沿って話しますと・・・

  • 裁判官は裁判所の判事及び判事補さんです。司法試験に受かっています。
  • 裁判員は普通の国民です(多分。自分が選ばれているので普通の範疇が不明ですが)司法試験に受かっていません。裁判員裁判では証人や被告に直接質問することが出来ます。量刑をどうするか等の最終評決に加われます。お白州で裁判官の方と同じ机に座っています。
  • 補充裁判員は普通の国民です(多分。自分が選ばれているので普通の範疇が不明ですが)司法試験に受かっていません。裁判員裁判では証人や被告に直接質問することが出来ません。量刑をどうするか等の最終評決に加われません。お白州で裁判官の机の後ろの別机にいます。

ざっとこんなふうでした。とはいえ補充裁判員の皆様も評議に加わり色々述べていましたし、とてもそれがいいところを突いてきました。正直な話し色々な人がいて議論が深まるところはあるので、人が多いほうがいいに越したことはないと思います。できるだけ広い職業、広い年齢層で、自営から会社社長までいたほうがいいような気はします。もちろん私のようにその時ちょうど無職の人がいるのもいいのでは。

という事で今回は具体的な事柄ではなく私達が裁判の中でどんなふうに関わってどんなふうに裁判を行ってきたか、ちょっと書いてみたいと思います。

まず、裁判員は先ほど書いたとおり質問します。大体尋問の最後の方で、検事、弁護人双方の反対尋問も済んでから、一回休廷してちょっと長めに時間をとって評議室に戻ります。そこで当然ですが、ハイッハイッハイッ!と質問したい裁判員が手を挙げる・・・なんてことはありません。日本人ですから(笑)裁判官の方、特に裁判長は今回とても気を使ってくれて、私達一人ひとりの疑問を聞いて、じゃあこういう質問をというふうにアドバイスもしていただき、証人に対して質問をするように仕向けられます(上手い!)とはいえ最初はそんなふうでも二人目の証人三人目の証人と進んでいくうちにだんだん自分から進んで質問したくなるので、不思議です。

あと証人尋問、被告人質問中に私達はメモを取ります。それをもとに評議をしたりどんな質問しようか考えるのですが、裁判官の皆様はさすがというか、仕事上のスキルと言うか、頭良い人ばかりというかとても細かく描かれています。ちょうど横に裁判官がいらしたので、時々横をチラチラ見ていると、A4の紙にびっしりと細かい文字で文字の大きさも揃ってまるでそのまま出版できるようなメモでした。私は自分しか読めないメモでした。なんか学習の差を感じてしまいました。なのでそれを見て心入れ替えて分かりやすいメモを取ろうと思ったのですが、まあ一朝一夕にはモノに出来ないですね。次頑張ろう(あるのか?)

裁判は神経戦です。証人尋問、被告人質問のときは大体1時間ぐらいで休廷してまた1時間というふうに間を空けるにしても、朝10時開廷から17時閉廷までほぼずっと検事、弁護人、証人、被告人の声を聞いてます。裁判官や裁判員は最後の最後にちょっとしゃべるだけです。聞き役・・・よく女性にモテるスキルと言われてますが、ある意味成熟していないと聞き役…辛いです。まずこいつ何いってんの?!というような行動、発言をぶちかましちゃってくれますと、一瞬にしてメモをとるとか何を行っているのかちゃんと聞くという能力を喪失します。そしてそれが回復するまでほんと、何を言っていたのかスッポーンと抜け落ちるんですよね。特に今回法廷での被告人の言動、態度がナカナカヤバかったので私のメモはメチャクチャ歯抜けだし、印象とかも覚えてない。という事で聞き役はとても精神力がいります。本当に重要なスキルです。今までの上司とかにもこれがあったら・・・とすれば部下から私もこう見られてた・・・?など去来する想いは多く、みなさんもぜひ一度裁判員になってみてほしいとセツに思う次第です。

という事でまだ次回に続きます。


追伸
# by zukunashi | 2021-06-22 09:54 | 映画・演劇・音楽
ミケランゼロの1%(その弐)
昨日振りです、お元気ですか。ズクナシです。
さて何回連載になるか分かりませんが、裁判員になった経験についてお話したいと思います。

前回は大雑把に裁判員選任手続きについて書きました。
ところで、こういう経験ってブログとかフェイスブックとかTwitterにあげていいのか?という疑問、持ちませんでしたか?秘守義務についても前回で書きましたが、そういうモノがあってあまり書いちゃダメなんじゃないか?という疑問は当然あると思います。実際やってみるまでそういうモノがあって、これってネタにはならないなぁと思っていました。が!実は裁判官の方から逆に書いて良いですというふうに言われました。書いちゃダメなのは専任されて実際実務に就いている期間中と、その後は法廷外で皆で審議しているときに、個人名がわかるようにして誰それがこう言ったとか、こんなふうに思っているというような話はしないように言われました。
まあ少し考えてみればわかるように、裁判員やっているときにリアルタイムに書けば、利害関係者が接触してくるかもしれないし(要するに被告の知り合いとかが有利になるようにと)裁判員のプライバシーを明かせば、罪が重くなったのはあいつのせいと逆恨みしたり、今後の裁判員になるかもしれない人が嫌がる事に繋がりかねないなど考えられますね。
じゃあ書いてほしいという意図は?これは簡単ですね。みんな知らないですもんね。私もそうでした。行ってみてホー、へー、フーンという事の連続でした。例えば選任のくじ引き前に事件については大雑把ですけど全員に(大半が外れの人も含め)知らされます。これはその事件に関係する人を排除するという意味もあると思いますが、最初は何で?と思いました。

さて、初登庁日。張り切って参りましたよ、霞が関。まあ仕事では一生関わらないと思っていた街ですが、意外なところでたった2週間ですが通勤することになりました。霞ヶ関駅に降りて外に出るとそこには東京高等裁判所、地方裁判所が入っている(簡易裁判所もあります)合同庁舎です。初日からすぐに法廷です。証人尋問があります。しかも午前午後ずーっとです。5時に終わるのですが、それまでひたすら証人尋問です。しかも最初の証人は、今日だけじゃなく明日も含め2日間!
証人尋問はまずは検察官、そして弁護人、反対尋問がある場合は再度検察官、そして弁護人、なければ裁判官、裁判員からというふうに行います。
今回は検察官は初日一日全部かけて証人尋問してます!!私達(裁判官、裁判員、そして被告、弁護人)はそれを聞くだけです。
ところで、もし貴方が裁判員になったときに必要な豆知識。裁判員トリビアの泉!
ていうか、証人尋問、被告人質問は一番最初から何も説明無しに始まります。
ていうか、私達のときには裁判官からは「特にメモとか必要ないですよ」「あとから資料は来ます」的な長閑な感じだったんですが、いや全然そんな事ないです。できれば初っ端からガツガツメモって下さい。それこそ一挙手一投足、どんなふうだったかまでメモっていいです。むしろそうしろと言いたい!
というのもさきほど証人尋問の順番の事書きましたよね。最後は裁判官、裁判員が聞きます。メモがいい加減だと聞けないんですよ。あと、証人尋問、被告人質問などが終わると、裁判官、裁判員で審議をします。証拠から事実を確認して何が起きたかを推論したり、犯罪事実が有れば量刑はどうするかなど皆で話し合うんですが、そのときにめちゃくちゃ困ります・・・っていうか困りました。最初の証人尋問で凄くいい加減に書いていたので、私困りまこしたわ。
ということで是非最初っからがっつりメモ取って下さい。

という事で証人尋問、被告人質問は裁判によって証人の数が違いますので、掛ける時間、日数もそれぞれ違ってきます。私達が担当した事件ではほぼ一週間を費やしています。残りの日数で審議をし、量刑を決め判決に至ったわけです。証人尋問、被告人質問は実際の法廷での話しなので、詳しく書くことも出来ますが、あまり楽しいものじゃない。それに今回は裁判員について書こうという趣旨なので、事件については割愛します。という事で今回はここまで。


追伸
# by zukunashi | 2021-06-19 11:26